“緋鹿子”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ひがのこ92.3%
ひかのこ7.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
この島田に掛けた緋鹿子ひがのこを見る視官と、この髪や肌から発散する匀を嗅ぐ嗅覚きゅうかくとに、暫くの間自分の心が全く奪われていたのである。
独身 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
下襲したがさねの緋鹿子ひがのこに、足手あしてゆき照映てりはえて、をんなはだえ朝桜あさざくら白雲しらくもうらかげかよふ、とうちに、をとこかほあをつた。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
胸を掻き抱いて狂おしく身をもむたびに、緋鹿子ひかのこが揺れる。乱れた前から白い膚がこぼれるのも知らずに、弥生はとめどもない熱い涙にひたった。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
襟付の黄八丈に緋鹿子ひかのこの帯をしめた可愛らしい下町したまちの娘すがたを、半七は頭のなかに描き出した。
半七捕物帳:02 石灯籠 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)