“蒼”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
あお75.6%
あを12.9%
さお8.2%
さを1.2%
あおざ0.3%
あをざ0.3%
そう0.3%
0.3%
あおい0.1%
あおき0.1%
あおみ0.1%
あをぐろ0.1%
あをみ0.1%
さう0.1%
アヲ0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
広さは、隅田川の二倍ほどもあろうか、あおい水を満々とたたえ静かに西北に向かって流れている。深さは三丈から四丈はあるという。
淡紫裳 (新字新仮名) / 佐藤垢石(著)
御酒ごしゆをめしあがつたからとてこゝろよくくおひになるのではなく、いつもあをざめたかほあそばして、何時いつ額際ひたひぎはあをすぢあらはれてりました。
この子 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
二本の指を口へいれて、苦しそうに酒を嘔吐もどしている。いつも、顔へ顔が映ると笑われている彼の頬も、艶気つやけがなく、真っさおであった。
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それからまはりがまっさをになって、ぐるぐる廻り、たうとう達二は、深い草の中に倒れてしまひました。牛の白い斑が終りにちらっと見えました。
種山ヶ原 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
とお隅は源の姿を盗むように視下みおろして、あおざめた口唇くちびるえみを浮べました。源は地団太踏んで
藁草履 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
この時淑女、あたかもあをざめていきはずむ子を、その心をば常にはげます聲をもて、たゞちになだむる母のごとく 四—六
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
巨木うっそうと天地をおおうとりました、蘆葦ろい茫々ぼうぼうとしげれることは咫尺しせきを弁ぜざる有様、しかも、目の極まる限りは坦々たんたんとした原野つづき
石狩川 (新字新仮名) / 本庄陸男(著)
同時に、あらぬかたおもてを背けた。
伯爵の釵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
屏風びょうぶの裏、そこから幽霊が出て来るよう。仏壇の中、そこには文之丞があおいい面をしてにらめている。蒲団の唐草からくさの模様を見ると、そのつるがぬるぬると延びて来て自分の首に巻きつきそうにする。
大菩薩峠:02 鈴鹿山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
尺蠖しゃくとりむし黄を食えばその身黄にあおきを食えばその身蒼しとあれば、動物の色の因をその食物に帰したのは東西一轍と見える。
しかも今度のは半分に引切ひっきってある胴から尾ばかりの虫じゃ、切口があおみを帯びてそれでこう黄色なしるが流れてぴくぴくと動いたわ。
高野聖 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
あをぐろい茂りを東北地方夏季中特有の優しみある空に、高くのびのびと差出してゐる松の廣い方陣、その方陣と方陣とのあひだに所々空間があつて、綺麗な芝生カガハラへりどつた野球グラウンド、テニス・コート
地方主義篇:(散文詩) (旧字旧仮名) / 福士幸次郎(著)
しか今度こんどのは半分はんぶん引切ひききつてあるどうからばかりのむしぢや、切口きりくちあをみびてそれ黄色きいろしるながれてぴくぴくとうごいたわ。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
いかにさびしき秋の日の光なりしよ。いかに秋風の空高く、わが思をして遠くかのさうに入らしめしよ。
秋の岐蘇路 (旧字旧仮名) / 田山花袋(著)
やゝアヲみを帯びた皮膚に、心もち細つて見える髪が、愈々イヨイヨ黒くえ出した。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)