“蒼蠅”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
うるさ66.0%
さばへ14.9%
あおばえ8.5%
あをばへ2.1%
あおばい2.1%
うる2.1%
うるさい2.1%
そうよう2.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
しかし亡友の遺児であってみれば捨てて置くことは世間が蒼蠅うるさかった。それで岡引の虎松に命じて探索させたのだがどうも分らない。
くろがね天狗 (新字新仮名) / 海野十三(著)
まつたく、天照大神が天の岩戸に隱れ給うたときのやうに、まつたく蒼蠅さばへなす、もろ/\のまがつみが國内にみちたのでした。
はえよ、蠅よ、蒼蠅あおばえよ。一つはらわたの中をされ、ボーンと。——やあ、殿、上﨟じょうろうたち、わしがの、今ここを引取るついでに、蒼蠅を一ツ申そう。
吉原新話 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
蒼蠅あをばへでもうすることをロミオばかりはうせぬ、彼奴等あいつら自由じいう吾等われら追放つゐはう! これでも足下おぬし追放つゐはう死罪しざいでないとおしゃるかいの? 調合てうがふしたどくはないか、ぎすましたやいばはないか
見ると一匹の蒼蠅あおばいが蛛網に絡つて逃げようとしてもがいてゐました。その音は蠅が翅をバタ/\さしてゐる音だつたんです。すると、一匹の蜘蛛が絹の漏斗じょうごの底から走つて来てその蠅をつかみました。
彼の頭に妹のいう意味は判然はっきり入った。けれども彼女の予期する感情は少しも起らなかった。彼は先刻から蒼蠅うるさいのを我慢して彼女の云い草を聴いていた。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
蒼蠅うるさいよ、などという母ではない。何処迄も相手になって、其意味を説明して呉れて、もうおそいから黙っておと優しく言って、又彼方あちら向いて了った。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
蒼蠅そうよう一カ月の間は来たらざるべし。快。白眼また一衣を送り来たる。
貧を記す (新字新仮名) / 堺利彦(著)