“蒼穹”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
そうきゅう31.6%
あおぞら28.9%
あをぞら13.2%
おおぞら5.3%
おほぞら5.3%
さうきう5.3%
さうきゆう5.3%
そら5.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
長い年月をへだてて振り返って見ると、かえってこのだらしなく尾を蒼穹そうきゅうの奥に隠してしまった経歴の方が興味の多いように思われる。
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
広い縁の向うに泉水せんすいの見える部屋だ。庭いっぱい、黄金こがねいろの液体のような日光がおどって、霜枯しもがれの草の葉が蒼穹あおぞらの色を映している。
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
馴れたことだが今更らしく私は其處等の谷川や山や蒼穹あをぞらなどを心うれしく眺め𢌞した。眞實冷々して、單衣と襦袢とを透して迫つて來る夜氣はなか/\に悔り難い。
姉妹 (旧字旧仮名) / 若山牧水(著)
彼はうえと疲れでがっくりと仰臥あおのけになったまま、暗い蒼穹おおぞらにきらめく星屑をうち眺めた。
乞食 (新字新仮名) / モーリス・ルヴェル(著)
その顏はコクトオの描いた「わが手の蒼穹おほぞらはなんぢを守らん」と云ふ文句のあるデッサンに似てするどく痩せてゐる。
その砂丘に足を投げ出してはてしない海の暗い沖の方に眺め入つたり、また仰向あふむきに寢ころんで眼もはるかな蒼穹さうきうに見詰め入つたりしながらも、私はほんとに頭を休めるわけには行かなかつた。
処女作の思い出 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
其処にははて知らぬ蒼穹さうきゆうを径三尺の円に区切つて、底知れぬ瑠璃るりを平静にのべて、井戸水はそれ自身が内部から光り透きとほるもののやうにさへ見えた。
そのガラス屋根ごしに、時おりは何かこう青い色が見えるのでした。それは蒼穹そらでありました。見知らぬ国の、色あせた空ではありましたが、でもやっぱり青空には違いありませんでした。