“霜枯”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
しもが60.0%
しもがれ40.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
広い縁の向うに泉水せんすいの見える部屋だ。庭いっぱい、黄金こがねいろの液体のような日光がおどって、霜枯しもがれの草の葉が蒼穹あおぞらの色を映している。
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
霜枯しもがれそめたひくすすき苅萱かるかやや他の枯草の中を、人が踏みならした路が幾条いくすじふもとからいただきへと通うて居る。余等は其一を伝うて上った。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
いかに時頼、人若ひとわかき間は皆あやまちはあるものぞ、萌えづる時のうるはしさに、霜枯しもがれの哀れは見えねども、いづれか秋にはでつべき。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
ボロ市過ぎて、冬至もやがてあとになり、行く/\年もくれになる。へびは穴に入り人は家にこもって、霜枯しもがれの武蔵野は、静かなひるにはさながら白日まひるの夢にじょうに入る。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)