“薄”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
うす38.5%
すすき30.1%
うっす9.4%
すゝき5.4%
うっ3.6%
せま3.1%
2.8%
うつす2.8%
うつ1.0%
うすっ0.5%
(他:11)2.8%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
“薄”を含む作品のジャンル比率
文学 > 日本文学 > 小説 物語6.7%
文学 > 日本文学 > 詩歌3.0%
文学 > 日本文学 > 小説 物語(児童)3.0%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
320x100
骸骨係の清君、一郎君、ブウちゃん、良ちゃん、鉄ちゃんの五人は、道具などをかかえていそいそとうすぐらい骸骨館の中へ入っていった。
骸骨館 (新字新仮名) / 海野十三(著)
生際はえぎわ少しあがりて、髪はややうすけれども、色白くして口許くちもとしまり、上気性のぼせしょうと見えて唇あれたり。
化銀杏 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
みちは野原のすすきを分けてやや爪先上つまさきあがりの処まで来ると、ちらと自分の眼に映ったのは草の間から現われている紙包。
酒中日記 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
串戯じょうだんではない。日向ひなたさっと村雨がかかった、すすき葉摺はずれの音を立てて。――げに北国の冬空や。
古狢 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
雪女はこしらへの黒塀くろべいうっすり立ち、産女鳥うぶめどり石地蔵いしじぞうと並んで悄乎しょんぼりたたずむ。
伯爵の釵 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
隣家となりのでもあるか蚊遣の煙のうっすりと夏の夕を染めたる中へ、しゃであろう、被布を召した白髪しらがを切下げのおうな
三枚続 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
とまおほうて、すゝきなびきつゝ、旅店りよてんしづかに、せみかない。
十和田の夏霧 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
例年れいねんだと、そのすゝきを、高樓たかどの――もちとをかしいが、このいへ二階にかいだからたかいにはちがひない。
十六夜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
あがり口の右側に二階の梯子段はしごだんうっすらと見えていた。哲郎は女に押あげられるようにされてあがって往った。
青い紐 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
僧は菅笠すげがさ竹杖たけづえをついていた。緑樹の色がうっすらとその白衣びゃくいを染めて見せた。
岩魚の怪 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
わろか。」と、の刹那に市郎はたちまちに悟ったが、敵が余りに近くせまっているので、火をける余裕が無い。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
百里の遠きほかから、吹く風に乗せられてかすかに響くと思うに、近づけば軒端のきばれて、枕にふさぐ耳にもせまる。
琴のそら音 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
お浜の住み家であるトタンぶきのあばら屋から、辺りをうかがうようにして、一人の男が戸外のやみのなかに出てきたのである。
南方郵信 (新字新仮名) / 中村地平(著)
いの字ヶ原の草靄くさもやは、かかるあいだにッすらとれかけていた。遠くかすんでいる山の前を、一羽の鳥影が悠々と横ぎってゆく。
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
日はひるすこし過ぎ、空は高いが、何処どこからとなく、うつすらした雲のかさが、白くよどむで来ては掻き消えてゆく。
観相の秋 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
かつせえまし、かたからむねあたりまで、うつすらとえるだね、ためしてろで
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
さう言つて目賀田は蝙蝠傘かうもりがさを多吉に渡し、痛い物でも踏むやうな腰付をして、二三間離れた橋の袂の藪陰につくばつた。禿げた頭だけがうつすりと見えた。
(新字旧仮名) / 石川啄木(著)
併し家らしいものは山の臺上だいうへにも臺下だいしたにも見えず、ただその上下うへしたの所々に散點する森や林やの黒い影をうしろにかして、霧のやうなものがうつすり棚曳いてゐるのが、望まれるだけであつた。
婆芸者が土色したうすっぺらな唇をじ曲げてチュウッチュウッと音高く虫歯を吸う。
深川の唄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
さて々忠臣義士も当てにならぬ、君臣主従の名分論も浮気なものだ、コンなうすっぺらな人間と伍をすよりも独りで居る方が心持が宜いと説をめて、初一念を守り、政治の事は一切いっさい人に任せて、自分は自分だけの事をつとめるように身構えをしました。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
今日は風呂日だから、帰ってから湯へ入ったと見えて、目立たぬ程にうッすりと化粧けわっている。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
その描けるがごとき人の姿は、うッすりと影を引いて、地の上へ黒い線が流るるごとく、一文字に広場を横切って、竹藪を離れたと思うと、やがて吹流しに手拭をかぶった婦人おんなの姿があらわれて立ったが
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
この薄暮というのは暮れにまる事、また肉薄というのは人々互に押し合いし合い丁度今日電車に乗り込む時の様に相まる事で、ススキの場合もそれと全く同意味である。
植物記 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
時あたかも英清戦争に際して、清国敗北の風評しきりに聞えければ、ハリスはこれを奇貨とし、歩々ほほまり、遂に安政四年二月に至っては、当時の閣老堀田備中守をして、外国人接待応接の式方を改めこれを優遇せしめ
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
長久手の戦ひの屏風絵には、籠を負うて、スヽキなどの青草をさした武者が、二三見えて居る。
幣束から旗さし物へ (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
那須さんの所謂郊村に育つた私は、稲の藁を積んだ稲むらを、何故すゝきと謂ふか、合点の行かなかつた子供の時に「スヽキを積んだあるさかいや」と事も無げに、祖母が解説してくれたのを不得心であつた為か、未だに記憶してゐる。
稲むらの蔭にて (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
かまえて下女のことばを信じて大切なるしゅうとしゅうとめ姨のしたしみうすくすべからず。
女大学評論 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
焦茶地の縞羅紗しまらしや二重外套にじゆうまわしいつの冬が不用をや譲られけん、尋常なみなみよりは寸のつまりたるを、身材みのたけの人より豊なるにまとひたれば
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
そのわけは、火星の表面には、月世界とはちがって空気はあるけれどもその空気はたいへん、きはくであるから、人間はやはり酸素を自分で補給しないと息ぐるしくて平気ではいられないのであった。
三十年後の世界 (新字新仮名) / 海野十三(著)
彼は音のした方へ馳寄ると、ぼんやりとした夜霧の中を走ってゆくエリスの後姿が影絵のように見えた。
P丘の殺人事件 (新字新仮名) / 松本泰(著)
歩みを止めると、急に恐しい静けさが身にセマつて来る。
身毒丸 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)