“せ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:
語句割合
27.8%
10.2%
7.9%
6.7%
6.5%
6.3%
5.3%
2.9%
2.8%
2.5%
2.3%
2.2%
1.8%
1.5%
1.3%
1.3%
1.2%
1.2%
1.0%
0.8%
0.8%
0.7%
0.6%
0.6%
0.4%
0.4%
0.3%
0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
身長0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
三世0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
咳嗽0.1%
0.1%
0.1%
攻撃0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
漸く驛遞の家に着いたので、あすの馬をあつらへ、そこから四五町さきの宿屋へ案内されるまでがまた一里も歩く樣に氣がかれた。
泡鳴五部作:04 断橋 (旧字旧仮名) / 岩野泡鳴(著)
たふうへにははとあそぶさうである。く。花屋敷はなやしきをのがれたざうたふしたきた。ざう寶塔はうたふにしてしろい。
露宿 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
確に会員に相違ない十人近くの男達は、まるで初めて逢った人のように、恰好から、歩き振りから、少しも見覚えがないのです。
覆面の舞踏者 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
列に立つ女たちは、自分たちの列のどの場所でも、そのようにして素ばしこく姿をくらます野菜をきとめる可能はもっていない。
列のこころ (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
まる年間ねんかん小言こごとはず、うらみもはず、たゞ御返事ごへんじつてります』でめられたのだからたまらない。をとこはとう/\落城らくじやうした。
ハガキ運動 (旧字旧仮名) / 堺利彦(著)
うつくしいてて、たまのやうなこいしをおもしに、けものかはしろさらされたのがひたしてある山川やまがは沿うてくと、やまおくにまたやまがあつた。
死刑 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
一時は腰が抜けて起つことも出来ない。寝ていても時をしきってき上げて来て気息いきくことも出来ない。実に恐ろしく苦しみました。
かなり遠方からやつて来たといふ栗毛の馬とり合つたあげく、相沢の馬は優勝をち得て、賞品ののぼりと米俵とを悠々と持つて行つた。
医師高間房一氏 (新字旧仮名) / 田畑修一郎(著)
虹汀聞き果てゝ打ち案ずる事稍久ややしばし、やがて乙女をたすけ起して云ひけるやう。よし/\吾にすべあり。今はさばかり歎かせ給ふな。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
これは(一)の明瞭性とも関係の深いことがらだが、また黒白二色のり合ひをして、快適な緊張感をかもしださせる根源をなしてゐる。
秋艸道人の書について (新字旧仮名) / 吉野秀雄(著)
男で居ながら、こんなにも上手な方があるものを、めてその指一本でも、私の身体からだについたらばと、つい、おろおろと泣いたのです。
歌行灯 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
私の兄の兄宇迦斯えうかしは、あなたさまをほろぼそうとたくらみまして、兵を集めにかかりましたが、思うように集まらないものですから
古事記物語 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)
だんだんこの店も師走いっぱいわしい由なり。煮方の料理番が、私がヨシツネさんにみかんを貰っているのを見て冷かしている。
新版 放浪記 (新字新仮名) / 林芙美子(著)
……だが日当不足となら、清水の舞台から飛んだつもりで、一日十両までり上げましょう。これでは御不満ありますまいな。
前記天満焼 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
生れて四十年、一たんの土と十五坪の草葺のあばらぬしになり得た彼は、正に帝王ていおうの気もちで、楽々らくらくと足踏み伸ばして寝たのであった。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
召使たちは、何分にもお館の心配を一刻もはやく安んぜねばと急ぐように、車の返却や礼のことばは明日改めてとばかり先をいて曳いて行った。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
がたおそろしさはいなづまごとこゝろうちひらめわたつて、二十有餘年いうよねんあひだ奈何どうして自分じぶんこれらざりしか、らんとはざりしか。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
けやきのまあたらしい飯台はんだいをとりまいて徳利をはや三十本。小鉢やら丼やら、ところもにおきならべ、無闇に景気をつけている。
またその天の尾羽張の神は、天の安の河の水をさかさまきあげて、道を塞き居れば、あだし神はえ行かじ。かれことに天の迦久かくの神を遣はして問ふべし
「それについてお前に頼みがあるのだが——」病人は破けた風琴のやうに悲しさうにまたき入つた。「その千円は世界中でお前が一番いやしいと思ふ人間に呉れてやつて欲しいのだ。」
道代 (驚いて眼を見張るが、だんだん引寄せられるやうにのびをし、呼吸をはずませて、つひに相手の腕の中にからだを投げかける)
ママ先生とその夫 (新字旧仮名) / 岸田国士(著)
「いい得べくんば一の山師! それにさ風采ふうさいがまことによろしい。だまって坐っておられると、十万石のお大名でござんす」
剣侠受難 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
防人さきもりに行くはひとるがともしさ物思ものもひもせず 〔巻二十・四四二五〕 防人の妻
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
「そんな方がゐられるのに、一體、何んだつてあなたはかうやつて、土耳古のやつらをめに、鞍に跨つて、こんなひどい土地を進んでゆかれるんです?」
放しませぬ! 聞かしてくだされサアすぐに! 妹にまられ逃げ歩くとはあんまり卑怯ひきょうな兄様じゃ! 兄様! あなたには、聞くも恐ろしい
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
余が胸臆を開いて物語りし不幸なる閲歴を聞きて、かれは屡〻驚きしが、なか/\に余をめんとはせず、却りて他の凡庸なる諸生輩を罵りき。
舞姫 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
車夫くるまやに鶴子をおぶつてもらひ、余等は滑る足元に氣をつけ/\鐵道線路を踏切つて、山田のくろを關跡の方へと上る。道もに散るの歌にちなむで、芳野櫻を澤山植ゑてある。若木ばかりだ。
熊の足跡 (旧字旧仮名) / 徳冨蘆花(著)
竹田も『神の子』もく仕事があるとかで、今夜は徹夜をして居る。三公も、市公もみな留守である。宅には手の無い少年の津田とおみつが隅の方に寝て居るばかりである。
それじきは、いろし、ちからをつけ、いのちぶ。ころもは、さむさをふせぎ、あつさえ、はぢをかくす。人にものをする人は、人のいろをまし、ちからをそへ、いのちぐなり。
馬は心に陶が金を貪るのをいとうて絶交しようと思ったが、しかしまたひそかに佳い木をかくしているのが恨めしくもあって、とうとう逢ってめてやろうと思って扉を叩いた。
黄英 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
乗鞍と誤認したるほどなりき、乗鞍に至りては、久しく離別の後に、会合したる山なり、今日大野川に見て、今ここに仰ぐ、帽を振りて久闊を叫びしが、峰飛びて谿まる今も
子游曰く、君につかえて(責)むればすなわ(則)ちはずかしめられ、朋友に(交わりて)むればすなわうとんぜらる。
孔子 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
と玄蕃は、木の根につまずいた間に、七、八間も離れた二人の影を怒気凄じく追いかけた……たたたたたと闇の底を打って行く跫音の先に、ごう——と岩にく水音が聞こえた。
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
清国敗北の風評しきりに聞えければ、ハリスはこれを奇貨とし、歩々ほほまり、遂に安政四年二月に至っては、当時の閣老堀田備中守をして、外国人接待応接の式方を改めこれを優遇せしめ
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
そこを目掛けて小一郎は取り直した大刀、柄を廻わし、一歩踏み出すと身長すくめ、相手の左胴を上斜めに、五枚目のあばら六枚目へかけ、鐘巻流での荒陣払い、ザックリのぶかく掬い切った。
神秘昆虫館 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
ただ森々たる山気を通してどうどうと流れる木曽川の水が岩にかれてむせぶばかり。他には何んの物音もない。その陰々たる山懐中ふところで追いつ追われつ男女ふたりの者が、懸命に争っているのであった。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「そんぢや、今度こんだ澤山しつかりえびやな、ろくんもしねえで、おこられちやつまんねえな」土瓶どびんにしたばあさんはわらひながらいつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
「まだ其處そこつくるけえしちや大變たえへんだぞ、戸棚とだなへでもえてけ」勘次かんじ注意ちういした。卯平うへい藥罐やくわんいで三ばいきつした。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
、先生、姉さんは、何にも御存じじゃございません、それは、お目違いでございまして、」
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
、先生が逢っても可いって、嬉しいねえ!」
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
寺わきを雨間せはしみ刈る麦は根にげりひとにぎりづつ
風隠集 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
寺わきの乏し穂麦を刈るひとは日暮ひぐれき来る雨間うれしみ
風隠集 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
馬車をりると折好く蒸汽が来た。初夏はつなつのセエヌ河の明るい水の上を青嵐あをあらしに吹かれて巴里パリイはひつた。アレキサンダア三世けうの側から陸にあがつて橋詰で自動車に乗つた。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
窺ひ今井樋口と心を合せ高倉宮の令旨りやうじを得るより雲の如く起り波の如く湧き越後に出で越前に𢌞り忽ち京都へのぼり時めく平家を追下おひくだし朝日將軍の武名を
木曽道中記 (旧字旧仮名) / 饗庭篁村(著)
……ウーイプー……お勢がいきたいというもんだから仕様事しようことなしのお交際つきやいいって見たがネ、思ッたよりはサ。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
「爺つぁん、耄碌もうろくしっこなしにしようぜ。木槌山の柳の下に、五万何ぼもえてたじゃねえか。嫌だぜ、おい。」
「いいパオだ! 小栓——お前、そんなに咳嗽いてはいかんぞ、いいパオだ!」
(新字新仮名) / 魯迅(著)
加代姫は急にきあげ、その涙のひまひまに
いまでも雀ののあたりの黒いのはこのとき墨の容物いれものを投げた、墨が垂れてついたもので、羽にぽつ/\と、黒い斑点のあるのは、墨の散つてついたのだといふことです。
小熊秀雄全集-14:童話集 (新字旧仮名) / 小熊秀雄(著)
「ほんとにつまらないお父様だ」などと……これでは死んだ自分の父を、攻撃めているようなものである。しかも民弥の云い方には、楽天的の所がある。また快活な所がある。
南蛮秘話森右近丸 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
我が暮らす日の長く又重きことは、ダンテが地獄にて負心ふしんの人のるといふ鍍金めつきしたる鉛の上衣の如くなりき。夜に入れば、又我禁斷の果にひ寄りて、その惡鬼に我妄想の罪をめらる。
かれその國より上り幸でます時に、龜のに乘りて、釣しつつ打ち羽振り來る人速吸はやすひに遇ひき。
それで、今夜も、出席しなさるように、自分から申し出て居られたんじゃが、夕方ごろから、持病の胃がくので、失礼する、玉井によろしゅう、と、お言付ことづけがあったんじゃ。
花と龍 (新字新仮名) / 火野葦平(著)
父はくな/\と膝を折り、幾年の監禁にめつけられた痛々しい頬に、ニヤリと佗しげな微笑ほゝゑみをのせて、しよんぼりとみよ子の前に坐つた。
父の帰宅 (新字旧仮名) / 小寺菊子(著)
れも縁切ゑんきりとおつしやつてからう五ねん旦那樣だんなさまばかりわるいのではうて、暑寒しよかんのおつかいものなど、くらしい處置しよちをしてせるに、おこゝろがつひかれて、おのづとあしをもたま
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
宰予さいよ昼寝ひるいぬ。子曰く、朽木きゅうぼくるべからざるなり。糞土のかきるべからざるなり。予に於て何ぞめんやと。子曰く、始め吾の人に於けるや、其の言を聴きて其の行を信ぜり。
論語物語 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
憎き女の文なんど見るもけがらはしと、さきには皆焚棄やきすてたりし貫一の、如何いかにしてこたびばかりはつひ打拆うちひらきけん、彼はその手にせし始に、又は読去りし後に、自らそのゆゑめて
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)