トップ
>
塞
>
せ
ふりがな文庫
“
塞
(
せ
)” の例文
西東
(
にしひがし
)
長短の
袂
(
たもと
)
を分かって、
離愁
(
りしゅう
)
を
鎖
(
とざ
)
す
暮雲
(
ぼうん
)
に
相思
(
そうし
)
の
関
(
かん
)
を
塞
(
せ
)
かれては、
逢
(
あ
)
う事の
疎
(
うと
)
くなりまさるこの
年月
(
としつき
)
を、変らぬとのみは思いも寄らぬ。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
またその天の尾羽張の神は、天の安の河の水を
逆
(
さかさま
)
に
塞
(
せ
)
きあげて、道を塞き居れば、
他
(
あだ
)
し神はえ行かじ。かれ
別
(
こと
)
に天の
迦久
(
かく
)
の神
二
を遣はして問ふべし
古事記:02 校註 古事記
(その他)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
が、平三も磯二も厭だといふので平七も
我
(
が
)
を折つて、網一ぱいの魚を其儘に出口を
塞
(
せ
)
いて、兎に角帰ることにした。
厄年
(新字旧仮名)
/
加能作次郎
(著)
せきはすなわち
塞
(
せ
)
き留める意味で、道祖神のさえも同じことだ、と行智法印などはいっております。
日本の伝説
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
それを
塞
(
せ
)
き止めてみたり、のみならず、いわくあり気な禁圧の形式までわざとらしく間に挟みます。
生々流転
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
▼ もっと見る
そして与里の激しい悲嘆は、
塞
(
せ
)
きあへず、高い嗚咽に噎びはじめて消え入るやうな愁訴に変つた。
竹藪の家
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
塞
(
せ
)
かれていた水が一度にどっと流れ出るように、伊助は
吃
(
ども
)
りながら何事か言いたてようとする。
早耳三次捕物聞書:02 うし紅珊瑚
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
思わぬこの
娘子
(
じょうし
)
軍の出現にいきなり前方を
塞
(
せ
)
かれて、たじたじとなるとガソリンの爆音のみ、いたずらに我が天心へ反響さして、さて停ると、ますます
燥
(
はしゃ
)
いで、浮かれて
フレップ・トリップ
(新字新仮名)
/
北原白秋
(著)
要するに素直なその斜面が一時岩壁で
塞
(
せ
)
き止められ、そのため岩壁と斜面との間に一筋の谷が
形成
(
かたちづく
)
られ、その谷の一点に庄三郎が今
茫然
(
ぼうぜん
)
と佇んでいる。と云うのが目前の光景なのであった。
神州纐纈城
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
いつも僕のなかで何か爆発する音響がする。いつも何かが僕を追いかけてくる。僕は揺すぶられ、鞭打たれ、燃え上り、
塞
(
せ
)
きとめられている。僕はつき抜けて行きたい。どこかへ、どこかへ。
鎮魂歌
(新字新仮名)
/
原民喜
(著)
やがて鼻と口を
塞
(
せ
)
かれた感動が、
出端
(
では
)
を失って、眼の中にたまって来た。
睫
(
まつげ
)
が重くなる。
瞼
(
まぶた
)
が熱くなる。
大
(
おおい
)
に困った。安さんも妙な顔をしている。
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「
妾
(
あれ
)
、恆は
海道
(
うみつぢ
)
を通して、通はむと思ひき。然れども吾が形を
伺見
(
かきまみ
)
たまひしが、いと
怍
(
はづか
)
しきこと」とまをして、すなはち
海坂
(
うなさか
)
を
塞
(
せ
)
きて、返り入りたまひき。
古事記:02 校註 古事記
(その他)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
溢れ出やうとする渦をも熱心に
塞
(
せ
)
き止めてゐる女は、部屋の片隅へ小さく寄つて——しかし言葉にではなしに身体によつて、私への激しい嫌悪と、不躾けに闖入した私への痛烈な憎しみを
蝉:――あるミザントロープの話――
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
一瞬の
閃光
(
せんこう
)
で激変する人間、宇宙の深底に潜む不可知なもの……僕に迫って来るものははてしなく巨大なもののようだった。だが、僕は揺すぶられ、
鞭
(
むち
)
打たれ、燃え上り、
塞
(
せ
)
きとめられていた。
鎮魂歌
(新字新仮名)
/
原民喜
(著)
田の
圦
(
いり
)
は映る
楉
(
しもと
)
の
叢嫩芽
(
むらわかめ
)
この
閑
(
しづ
)
けさをいまだ
塞
(
せ
)
きたる
白南風
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
浅井君が無意味に小夜子を眺めているうちに、
孤堂
(
こどう
)
先生は変な咳を二つ三つ
塞
(
せ
)
いた。小夜子は心元なく父の
方
(
かた
)
を向く。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
もしこの神でなくば、その神の子のタケミカヅチの神を遣すべきでしよう。ヲハバリの神はヤスの河の水を
逆樣
(
さかさま
)
に
塞
(
せ
)
きあげて道を塞いでおりますから、他の神では行かれますまい。
古事記:03 現代語訳 古事記
(旧字新仮名)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
田の
圦
(
いり
)
は映る
楉
(
しもと
)
の
叢嫩芽
(
むらわかめ
)
この
閑
(
しづ
)
けさをいまだ
塞
(
せ
)
きたる
白南風
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
高地人
(
ハイランダース
)
と
低地人
(
ローランダース
)
とキリクランキーの
峡間
(
はざま
)
で戦った時、
屍
(
かばね
)
が岩の間に
挟
(
はさま
)
って、岩を打つ水を
塞
(
せ
)
いた。高地人と低地人の血を飲んだ河の流れは色を変えて三日の間ピトロクリの谷を通った。
永日小品
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
水行くほかに
尺寸
(
せきすん
)
の余地だに
見出
(
みいだ
)
しがたき岸辺を、石に飛び、岩に
這
(
は
)
うて、
穿
(
は
)
く
草鞋
(
わらんじ
)
の
滅
(
め
)
り込むまで腰を前に折る。だらりと下げた両の手は
塞
(
せ
)
かれて
注
(
そそ
)
ぐ渦の中に指先を
浸
(
ひた
)
すばかりである。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
塞
常用漢字
中学
部首:⼟
13画
“塞”を含む語句
閉塞
塞外
逼塞
立塞
塞翁
優婆塞
城塞
馬耳塞
山塞
息塞
馬塞
娑婆塞
韻塞
口塞
荊与棘塞路
方塞
柬埔塞
栓塞
堰塞
馬塞耳
...