せみ――あるミザントロープの話――――あるミザントロープのはなし――
凡そ世に同じ人間は有り得ないゆえ、平凡な人間でもその種差に観点を置いて眺める時は、往々、自分は異常な人格を具へた麒麟児であると思ひ込んだりするものである。殊に異常を偏重しがちな芸術の領域では、多少の趣味多少の魅力に眩惑されてウカウカと深入り …
題名が同じ作品
(新字旧仮名)牧野信一 (著)
(新字旧仮名)中原中也 (著)