“専”のいろいろな読み方と例文
旧字:
読み方割合
もっぱ71.3%
もっぱら8.2%
もつぱ7.7%
もつぱら4.1%
もは2.1%
せん2.1%
ひた1.5%
おも1.0%
もつ0.5%
もつは0.5%
もつはら0.5%
もはら0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
もっぱらこの人々の功績によるのであり、その意味で私たちはこれらの先覚者たちに多大の感謝をささげねばならないのでありましょう。
杉田玄白 (新字新仮名) / 石原純(著)
しこうしてこの三社の詩風もまた大抵相同じであった。徂徠の古文辞派が唐詩を模範となしたのに反し、寛政以降化政の詩人はもっぱら宋詩をとうとんだ。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
ついでに日本人は平気で鳥打帽をかぶるが、巴里パリイではもつぱら労働者のかぶるものである。シテエ・フワルギエエルの十四番地へ来ると徳永はう起きて居た。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
わたくしは前に磐が電信術を修めたことを記した。しかし終にこれを業とするには至らなかつたらしい。既にして磐は力を仏語を学習することにもつぱらにした。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
井沢香央の人々、七四かれにくこれかなしみて、もは七五しるしをもとむれども、七六ものさへ日々にすたりて、よろづにたのみなくぞ見えにけり。
ねがわくはだ、きみ、どうぞ一つ充分じゅうぶんかれしんじて、療治りょうじせん一にしていただきたい。かれわたしにきっときみ引受ひきうけるとっていたよ。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
おおあの、あれは、あれこそ、ひたすらに燃えさかり、埋もれた、ささやかな、然し各々の精根を傾けた生活の歌だつたのだよ。
逃げたい心 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
気象雄健なアルゼリイ種の馬匹ばひつが南佐久の奥へ入りましたのは、この時のことで。今日一口に雑種と称えているのは、おもにこのアルゼリイ種を指したものです。
千曲川のスケッチ (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
故にアリストテレスが戯曲論を立つるももつぱら悲哀戯曲に就て言へるなり。
罪過論 (新字旧仮名) / 石橋忍月(著)
こん弁慶縞べんけいじま高柳郷たかやなぎごうにかぎれり。右いづれも魚沼うをぬまぐんの村々也。此ちゞみをいだす所二三ヶ村あれど、もつはらにせざればしばらくおきてしるさず。縮は右村里の婦女ふぢよらが雪中にこもあひだ手業てわざ也。
こゝを以て家居いへゐつくりはさら也、万事よろづのこと雪をふせぐをもつはらとし、ざいつひやしちからつくす事紙筆しひつしるしがたし。農家のうかはことさら夏の初より秋の末までに五こくをもをさむるゆゑ、雪中にいねかる事あり。
また かをす、もはらなる白。
海豹と雲 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)