“せん”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:セン
語句割合
25.4%
15.3%
10.8%
9.9%
7.0%
3.8%
3.0%
2.5%
1.9%
1.7%
(他:163)18.7%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そればかりでは濟まなかつた。車掌が無効に歸したせんの乘換切符を其儘持つて行かうとすると、貴婦人は執念くも呼び止めて、
我が最近の興味 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
「有ていにいったら、みんな首だ。だからせんを越して、夜明け次第に、まずこの地方の役署へ訴えを出しておく。よろしいか」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
咳の願掛けに行く人は、必ず豆や霰餅あられもちり物を持参して、せんじ茶と共にこれを両方の石の像に供えました。
日本の伝説 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
安い薬草などをせんじてのんで、そのにおいで畳の色がかわっているくらい——もう、わずらってから、永いことになるんだ。
勧善懲悪 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
御米およねは台所で、今年も去年のように水道のせんが氷ってくれなければ助かるがと、暮から春へ掛けての取越苦労をした。
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)
そして函の中には、小さい薬びんが一つころがっていて、せんの間から、酒がにじんで、ぷーんといいかおりを放っていた。
未来の地下戦車長 (新字新仮名) / 海野十三(著)
られぬなれば臥床ふしどらんもせんなしとて小切こぎれたる畳紙たゝうがみとりだし
雨の夜 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「そう知られては隠してもせんないこと。まこと今宵は左少弁殿と言いあわせて、法性寺詣でに忍び出たに相違ござりませぬ」
玉藻の前 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
「それではだいって来ました。そっちは三十三せんですね。おり下さい。それから私の分はいくらですか。」
チュウリップの幻術 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
いたみはじめたくだものの箱の中から、一山十せんだの二十銭だのというぐあいに、西洋皿せいようざらへもりわけるのです。
水菓子屋の要吉 (新字新仮名) / 木内高音(著)
無碍むげに、一歩でも、手元へ近づいて行った者は、たちまち、相手の一せんを浴びて、あえなき血けむりを揚げてしまう。
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
どっち側の手が早かったともいえない。青白い一せんがキラとしたせつなに、闇ぐるみ、血の香は、人の全部をくるんでしまった。
私本太平記:01 あしかが帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
あつかさ編目あみめとほしてをんなかほほそつよせんゑがく。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
電燈でんとうは二、三明滅めいめつしたが、せん切断せつだんされたとみえて、まったくえてしまった。
台風の子 (新字新仮名) / 小川未明(著)
仙梅日記せんばいにっき』には駿州うめしませんまたの旅行において、一人の案内者が山中さんに話した。
山の人生 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
鄭和ていかふねうかめて遠航し、胡濙こえいせんもとめて遍歴せる、密旨をふくむところあるが如し。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
それがために、いとゞつたなくちの、せんひとつも、なんにも、ものがはれなかつたのであります。
雪霊記事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
爆音も相当に強く明瞭に聞かれ、その音の性質は自分が八月四日にせんたきで聞いたものとほぼ同種のものであったらしい。
小爆発二件 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
「五せんりんまういくらつていふんだ、さうすつと先刻さつきのはいくらの勘定かんぢやうだつけな」
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
ところで、一せんたりとも茶代ちやだいいてなんぞ、やす餘裕よゆうかつたわたしですが
人魚の祠 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
それは一に十せんを射ることができ、やじりには毒が塗ってあるので、これにあたると、負傷ということはない。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「京へ、鎌倉の兵を入れるな。尾張美濃の境、墨股河すのまたがわせ下って、義経に、鎌倉討伐の第一せんを放たすがよい」
日本名婦伝:静御前 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「そう、いつでも巨人引力ばかり書いてはおらんさ。天然居士の墓銘をせんしているところなんだ」と大袈裟おおげさな事を云う。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
続往生伝は匡衡の孫の成衡しげひらの子の匡房のせんだから、これも信ずべきであるが、何様して然様そういう相違が生じたのであろう。
連環記 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
かばかりなる巨象の横腹をば、真四角まっしかくに切り開きて、板を渡し、ここのみ赤きせんを敷詰めて、踊子が舞の舞台にいたし候。
凱旋祭 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
長者僧を供養しおわり、室を開けて見れば右の始末、やむをえず五色のせんもてその屍を飾り、葬送して林中に到る。
せん州の節使趙鍠ちょうこうもまた額の上に一塊の肉が突起しているので、珠があるのではないかと疑われていた。
「もし、その内々の議が、宮方へ曳れ聞えたら、あるいは、朝廷方から先に、お旗上げをせんするかもしれませぬな」
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「どうやら。家へあまりいらしゃらんさかえ。せんかって、そうお金をつかったという方じゃないですもの」
挿話 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
せんに働いていた川西という工場のことを、小野田は心に描いていたが、前借などの始末のやりっぱなしになっている其処へは行きたくなかった。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
むかし、八里半、僭称せんしょうして十三里、一名、書生の羊羹、ともいった、ポテト……どうも脇息向のせんでない。
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
これで思起おもひおこすのは、陰暦の二月すゑには、既に韮がえ、木の新芽がせんに供し得る程になつてゐるといふことである。
念珠集 (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
音楽の名をせんしてるいばらや枯れ葉の中に、少数の音楽家らの素朴なしかも精練された芸術を、彼はオリヴィエに助けられて見出した。
今は成金と称する新富豪さえも彼らに擬して、その邸宅と日常生活を民衆と区別し、その称呼をも御前様お姫様を以て自らせんしつつあります。
激動の中を行く (新字新仮名) / 与謝野晶子(著)
そして、百せんのすえに青々とすんだ浪華なにわの海には、山陰さんいん山陽さんよう東山とうさんの国々から
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
足守川あしもりがわ長良川ながらがわの二せんを合したものが、どうどうと注ぎ込まれているのである。
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
この間、かれの馬蹄ばていのめぐり歩いた地は、せつせんの四州にわたっている。
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
思うに、ここの味方内から離反者が簇出ぞくしゅつしたばかりでなく、せつせんいったいにわたる日和見ひよりみ的な武族もまた、
私本太平記:08 新田帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それでも塩水せんをかけたので恰度ちょうどあったから本田の一町一たん分には充分じゅうぶんだろう。
或る農学生の日誌 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
天台宗てんだいしゆう寺院じいんは、高地こうちおほまうけてあるが、火山かざんもまた彼等かれらせんれなかつた。
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
あっしのかかあなんぞはモウ以前せんに水天宮で轆轤首ろくろっくびの見世物を見てけえって来ると、その晩、夜通しうなされやがったもんで……ほかじゃあ御座んせん。
人間腸詰 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
前髪まえを剃上げて見せたということだから、以前せんの頭はあんまり縁起のい頭じゃアございません、首実検のための頭だと云います、それから追々剃りまして糸鬢奴いとびんやっこが出来ましたが
松と藤芸妓の替紋 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
よくの一字より、親戚のしたしみも離るゝものなれば、根據こんきよする處をつがせん要なり。
遺教 (旧字旧仮名) / 西郷隆盛(著)
迂濶うくわつに死ぬ事も出來ないであらうげん代のせん棋士きしは平ぼんに、しかもジリリと心にかぶさつてくる生くわつ問題もんだいの重あつを一方にになひながら
いまや三かくせんのまっ最中さいちゅうである人穴城ひとあなじょうの真上まで飛んできた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
平岡の言葉は言訳いひわけと云はんより寧ろ挑せんの調子を帯びてゐる様にこえた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
「一々お小言ぢや困りますね。兎も角、大した代物しろものだ。おせんと言つて年は二十一、骨細で、よく脂が乘つて、色白で愛嬌があつて——あツ」
けれど、孔明の一せん一扇は不思議な変化を八門の陣に呼んで、攻めても攻めてもそれは連城の壁をめぐるが如く、その内陣へ突き入る隙が見出せなかった。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
其又となりに、ひろい所を、たつた二人ふたりせん領してゐるものがあつた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
「だから、何でも養生して、体を丈夫にするのがせんだよ」
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
曹洪そうこうの配下で晏明という部将がこれへきた先頭であった。晏明はよく三せん両刃りょうじんの怪剣を使うといわれている。今や趙雲のすがたを目前に見るやいな、それをふるって、
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そして側には一りの弓を立て、腰には両刃りょうばせんの八環刀かんとういて、久しぶりな闘争の発汗に会ったためか酒の色か、いかにもこころよげな眉宇びうに見える。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ぼくぼくで名人けつせん觀戰記くわんせんきを書き力に相當加ふるものありとうぬれて
〔譯〕民のに因つて以て之をげきし、民のよくに因つて以て之をはしらさば、則ち民其の生をわすれて其の死をいたさん。是れ以て一せんす可し。
日本人にほんじんなにゆゑににおいて賞用しやうようせられたいしせん構造こうざうけて
日本建築の発達と地震 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
とんちんかんに並んだゐねむりせんとでも。
希臘十字 (新字旧仮名) / 高祖保(著)
薩摩芋さつまいもせん 春 第十八 芋料理
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
——覚えていますが、その時、ちゃら金が、ご新姐に、手づくりのお惣菜、麁末そまつなもの、と重詰の豆府滓とうふがら、……の花をったのに、せん生姜しょうがで小気転を利かせ、酢にした鯷鰯しこいわしで気前を見せたのを一重。
木の子説法 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
印南いんなん杏坪きやうへい文河ぶんか竹里ちくりは既にかみに見えてゐる。文河は定良さだよし、竹里はせんである。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
その臨終りんじゅうの光景は息子・せんの筆によって詳しく史記しきの最後の章に描かれている。
李陵 (新字新仮名) / 中島敦(著)