せん)” の例文
しかし彼は他の玄洋社の諸豪傑連といささせんを異にしていた。その頃の玄洋社の梁山泊りょうざんぱく連は皆、頭山満を首領とし偶像として崇拝していた。
近世快人伝 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
それでも塩水せんをかけたので恰度ちょうどあったから本田の一町一たん分には充分じゅうぶんだろう。とにかくぼくは今日半日で大丈夫だいじょうぶ五十円の仕事しごとはしたわけだ。
或る農学生の日誌 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
なかには主人あるじ宗匠そうしょう万年青おもとの鉢を並べた縁先えんさきへ小机を据えしきり天地人てんちじんの順序をつける俳諧はいかいせんに急がしい処であった。
すみだ川 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
同僚の有象無象うぞうむぞうとはいささせんことにするというところを印象づける積りだった。続いて人生問題から生活問題へ移った。話の切っかけが丁度好かったから
ロマンスと縁談 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
天台宗てんだいしゆう寺院じいんは、高地こうちおほまうけてあるが、火山かざんもまた彼等かれらせんれなかつた。したがつてめづらしい火山現象かざんげんしようの、これ僧侶そうりよによつて觀察かんさつせられたれいすくなくない。
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
その間に立って孔子の伝記だけはせんを異にしているであろうか。
孔子 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
なかには主人あるじ宗匠そうしやう万年青おもとはちならべた縁先えんさき小机こづくゑしきり天地人てんちじんの順序をつける俳諧はいかいせんいそがしいところであつた。
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)