“反”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
38.9%
そむ15.2%
かえ14.7%
かへ6.8%
そり5.0%
4.6%
そら3.7%
たん2.8%
かえっ2.0%
はん1.6%
(他:46)4.7%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
“反”を含む作品のジャンル比率
文学 > 日本文学 > 小説 物語21.0%
文学 > 日本文学 > 詩歌3.9%
文学 > 日本文学 > 評論 エッセイ 随筆2.1%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
自分が「別段堅苦しくはしていません」と答えた時、彼女は「だってかえってるじゃありませんか」と笑った。
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
お孝が、ふと無意識のうちに、一種の暗示を与えられたように、てのひららしながら片手の指をあごに隠した。
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「我をして、天下の人にそむかしむるとも、天下の人をして、我に反かしむるをめよ――だ。さあ行こう。先へ急ごう!」
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
何条なんじょう、その知己にそむくべき――である。秀吉は、九鬼家の案内に従って、その夕方、大坂の川口から船に乗った。
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
が、大井はかえって真面目な表情を眼にも眉にも動かしながら、大理石の卓子テエブル拳骨げんこつで一つどんと叩くと、
路上 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
「それがいかんですな。熱はずんずんさがりながら、脈搏はかえってふえて来る。――と云うのがこの病の癖なんですから。」
お律と子等と (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
「こんなに沢山頂いては、かへつて御気の毒ですね。――さうして一体又あなたは、何を占つてくれろとおつしやるんです?」
アグニの神 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
東は花柳に沈湎ちんめんせざるもののおのづからにして真福多く天佑有るを云ひ、西は帝王の言の出でゝかへらざることを云へり。
東西伊呂波短歌評釈 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
芭蕉は許六の「名将の橋のそり見る扇かな」にさへ、「此句は名将の作にして、句主の手柄は少しも無し」と云ふ評語を下した。
芭蕉雑記 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
それから、自分の短い、そりのついた剣をはずして、パーシウスが前から下げていた剣の代りに、それを彼につけてやりました。
刺してその場から逐電ちくでんするだけのことだが、この女が胸から血を流してのけるざまは、見られたものではなかろう。
鈴木主水 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
が、人語は犬の知るところではない、と承知のようなりだった。その鼻ヅラで周りの人間どもをねめまわしている。
私本太平記:01 あしかが帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「いいことはありませんよ、苦しいのです、それに叔父さんは、お疲れよ」にっとしてそらしている広巳の眼を追っかけて、
春心 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
このまゝにものゝ三月もつゞいたなら、彼は見も知らぬ他人を見るやうに村の人から目をそらされることにもならう。
夜烏 (新字旧仮名) / 平出修(著)
彦島村役場の明治頃の土地台帳によると、巌流島全体の面積一たん十六とあるから、いかに小さい島かが分ろう。
随筆 宮本武蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
流人の給与はおよそ穀物何十石、油何斗、ぬのたんと決った額が渡されるほか、何の収納もあるわけはないからだった。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
屋敷町の入口のことで、地面は洗われてかえってきれいになっていたが、塀に添った溝にはまだ濁り水が川のように流れていた。
小曲 (新字新仮名) / 橋本五郎(著)
結局小高大高をえて小楢俣に下った方が、山へも登れるし行程もかえっ捗取はかどったに相違なかったと後悔した程である。
利根川水源地の山々 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
甚麼どんなはんしてたか聞きたいものですが、ちと遠方ゑんぱうで今問合とひあはせるわけにもきません
硯友社の沿革 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
これにはんして、陰気いんきな、さびしいあねは、またけっしてだれからもあいされなかったにちがいない。
灰色の姉と桃色の妹 (新字新仮名) / 小川未明(著)
四人の博徒に取り囲まれ、切りかかる脇差を左右にわし、脱けつ潜りつしている澄江の姿が、街道の塵埃ほこりを通して見られた。
剣侠 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
私達の発した言葉は私達が針ほどの誤謬ごびゅうを犯すや否や、すぐにやいばえして私達に切ってかかる。
惜みなく愛は奪う (新字新仮名) / 有島武郎(著)
「どっこい!」という声と共に、辛く身をかわせた鬼小僧、三間ばかり逃げ延びたが、そこでグルリと身を飜えし、ピューッと何か投げ付けた。
柳営秘録かつえ蔵 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
縛られた身はかわすことも出来ずドンと背後うしろへ転がるところをすかさず切り込んだ手練の太刀。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
と云いながら側へ近寄ると、病人は重い掻巻かいまき退けて布団の上にちゃんと坐り志丈の顔をジッと見詰めている。
四本の脚を踏んばって突き刺さった槍の力を受け止めていた牛は、忽ち渾身の勇をふるってそれをね返し、鋭い大きな二本の角でぐさりと馬の右腹を突いた。
闘牛 (新字新仮名) / 野上豊一郎(著)
山城守の顔がさっと変った。一同も打たれたようにけぞって、ざわざわと幸吉のほうへめよった。幸吉が言っていた。
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
しかし左門が振り返りざま、宙へ刀を揮うや、真っ先に進んでいた乾児の一人が、左右へ手を開き、持っていた刀を、氷柱つららのように落とし、けざまに斃れた。
血曼陀羅紙帳武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
小菅へ行く度に、いきにもかえりにも僕はこの障子の前を通るのを楽にしていた。
ヰタ・セクスアリス (新字新仮名) / 森鴎外(著)
ここにおいてか警察部長チーフコンステーブルは万一をおもんぱかり、彼に向かってせつに集会を中止せんことを求めたけれども、元来彼ロイド・ジョージは、自らかえりみてなおからずんばかつ寛博かんぱくといえどもわれおそれざらんや
貧乏物語 (新字新仮名) / 河上肇(著)
俺達はれとかはつて今まで自分の力量に気が附かず、雑種犬にまで白痴にされて段々田舎へ引込んで、支那チヤンの犬にさへ尻尾を下げて恐れ入つたもんだ。
犬物語 (新字旧仮名) / 内田魯庵(著)
実はひらりと身をかはしたと思ふと、忽ちどこかへ消えてしまつたのです。
河童 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
今彼は、クリストに從はざることのいかに貴き價を拂ふにいたるやを知る、そは彼このうるはしき世とそのうらとを親しく味ひたればなり 四六―四八
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
後に冠君の話を聞くと、普通猟師などの入り込む路は、かえつて東側に在って割合に楽だとの事であった。
釜沢行 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
が、それが或所まで続くとかへつて妙に不安になつた。
戯作三昧 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
〔譯〕自らかへりみてなほきは、われ無きなり。千萬人と雖吾れ往かんは、物無きなり。
水銀白を柔らかにいた薄葉を微風にうらえしている、たまに白砂の中に塩釜菊が赤紫色に咲いているのが、鮮やかに眼に映る外は、青い空と、緑の木と
梓川の上流 (新字新仮名) / 小島烏水(著)
早「あれまア、馬めえ暴れやアがる、久藏ねぶったかえ……あれまア締りのねえ戸だ、叩いてるより開けてへいる方がい、よっぱれえになって仰向あおむけにぶっくりけえってそべっていやアがる、おゝ/\顔にあぶ附着くッついて居るのに痛くねえか、おきろ/\」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「さうだらう。其方の人相は、どう買ひかぶつても惡人といふ相ぢやない。鼻がそつくり返つて、眼尻が下がつて、齒が少し亂杭らんぐひだな。そんな刻みの深い顏は、總て善人か愚人ぐじんにあるものぢや」
それでもしばらくすると病人びやうにん意識いしき恢復くわいふくして、びり/\と身體からだふるはせて、ふとなはでぐつとつるされたかとおもふやうにうしろそりかへつて、その劇烈げきれつ痙攣けいれんくるしめられた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
その内に、同じくのッつ、そッつ、背中を橋に、草に頸窪ぼんのくぼを擦りつけながら、こう、じりりじりりと手繰たぐられるていに引寄せられて、心持動いたげにございました。
星女郎 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「ええッ!」と、おしおは思わず身をのけぞらしたが、また気を取りなおしたように、男の前へ詰め寄りながら、「討入の数に漏れた……とおっしゃるからには、やっぱりまだわたしに未練が残って……?」
四十八人目 (新字新仮名) / 森田草平(著)
「腹が黒い」という語源が、そもそもこの辺りから出たものかどうか、それは詮索のほかとしまして、とにかく半だんの布、よく彼らに保護色を与え、機に応じ変に臨んで白くも黒くも意のままであります。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
始めてくまを水に溶き込んだように黒ずんだ濃い汁を、金盥かなだらいになみなみともどした時、医者はまゆを寄せて、こういうものが出るようでは、今のうち安静にして東京に帰った方が好かろうと注告した。
思い出す事など (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
ワグナーの音楽の感銘は強大深甚しんじんで、その支持者はきわめて熱烈であった反面には、常にアンチワグネリスムスの萌芽ほうがはぐくまれ、時あって全ワグナーの功業、芸術を、九地の底に葬らずんばやまざらんとしたことも事実である。
楽聖物語 (新字新仮名) / 野村胡堂野村あらえびす(著)