“反”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
37.9%
そむ17.2%
かえ13.8%
かへ6.4%
そり5.0%
5.0%
そら3.6%
たん2.9%
かえっ1.9%
はん1.6%
1.2%
かわ0.5%
0.5%
0.3%
かえり0.2%
かは0.2%
かへつ0.2%
0.2%
だん0.2%
うら0.1%
かえつ0.1%
かへり0.1%
けえ0.1%
そつ0.1%
そりかへ0.1%
そッ0.1%
ぞら0.1%
はず0.1%
べん0.1%
もど0.1%
アンチ0.1%
アンティ0.1%
アンテイテーゼ0.1%
カヘル0.1%
ソム0.1%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
彼は髯から手を放すと、ややり身になって、鼻の高い、眼光の鋭い顔を時々ちらりと眺めながら、勢いよく手真似てまねをして、しゃべり出した。
英雄の器 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
本堂と庫裡とをつなぐ板敷の間で、ずば抜けて背のひよろ長い、顔も劣らずに馬面うまづらの、真白なのすぐ目につく男が突立つてゐた。
医師高間房一氏 (新字旧仮名) / 田畑修一郎(著)
恐ろしい螟虫ずいむしの襲撃に会った上、水にまでそむかれた稲は、絶望された田の乾からびた泥の上に、一本一本と倒れて、やがては腐って行く。
禰宜様宮田 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
「ご記憶でございましょう。むかし関羽将軍が荊州で敗れたとき、その禍因をなしたあの孟達もうたつを。——蜀にそむいて魏へ降った孟達ですが」
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
のけぞりかえるように、逃げ腰に振り返った途端とたん発止はっし鉢合はちあわせたのは束髪そくはつった裸体の女客であった。
電気風呂の怪死事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
いや、かえってその眼なざしには、いつもの気味の悪い光がなくて、まるで涙ぐんででもいるような、もの優しい潤いが、漂っているのでございます。
邪宗門 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
此の立つはわたくしならず、人ひとりるとにあらず、皇国すめぐにをただに清むと、正しきにただにかへすと、心からいきどほる我はや。
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
いや、その光がさしてゐるだけに、向うの軒先につるした風鐸ふうたくの影も、かへつて濃くなつた宵闇よひやみの中に隠されてゐる位である。
東京小品 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
其事そのことあればといはず夜中よなかはず、やがて千葉ちばをば呼立よびたてゝ、そりかへるおさへさするに
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
それでも夫の弟だと思うので、なるべくはそりを合せて、少しでも近づけるように近づけるようにと、今日こんにちまで仕向けて来た。
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)
と仰向けに目をぐっとつむり、口をひょっとこにゆがませると、所作の棒をつえにして、コトコトと床を鳴らし、めくらりに胸を反らした。
開扉一妖帖 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
いかに感情の激越を表現するのでも、ああまでぶざまに顔を引きゆがめたり、唇を曲げたり、ったり、もがいたりしないでもいい。
蓼喰う虫 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
「ふむ、余り殺生が過ぎたから、ここん処精進よ。」と戸外おもての方へ目をそらす。狭い町を一杯に、昼帰ひるがえりを乗せてがらがらがら。
註文帳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
膝を兩手で抱いて、身をそらして開け放した窓さきの樹木に日光の流れてゐるのを拭ひもせぬ眼で見つめて居ると、母もいつしか語を止めてゐた。
古い村 (旧字旧仮名) / 若山牧水(著)
下男げなんんだうまぬのたんになれば、とんだもうけものだとおもって、さっそくうまりかえっこをしました。
一本のわら (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
「こんで出際でぎはあめでもえゝ鹽梅あんべえなら、たんで四へうなんざどうしてもとれべとおもつてんのよ」
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
去る者日々にうとしとは一わたりの道理で、私のような浮世の落伍者はかえって年と共に死んだ親を慕う心が深く、厚く、こまやかになるようだ。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
この雪は先年劒へ登った時よりもかえって少ないように思われたが、地獄谷から室堂方面に眼を放つと今年の雪の多いことが首肯うなずかれる。
黒部川奥の山旅 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
ところ胎兒たいじは、夫婦ふうふ豫期よきはんして、五ヶげつまでそだつて突然とつぜんりて仕舞しまつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
それが、いまでは“はん尊氏”のもとに、勅免をこうむって、高時の子も、新田の党も同陣になっていた。じつに予測もできない時の変りようである。
私本太平記:13 黒白帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
男の我を忘れて、相手を見守るに引きえて、女は始めより、わが前にわれる人の存在を、ひざひらける一冊のうちに見失っていたと見える。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
四人の博徒に取り囲まれ、切りかかる脇差を左右にわし、脱けつ潜りつしている澄江の姿が、街道の塵埃ほこりを通して見られた。
剣侠 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「どっこい!」という声と共に、辛く身をかわせた鬼小僧、三間ばかり逃げ延びたが、そこでグルリと身を飜えし、ピューッと何か投げ付けた。
柳営秘録かつえ蔵 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
ト文三も今朝とはうってかわッて、今は其処どころで無いと言ッたような顔付。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
四本の脚を踏んばって突き刺さった槍の力を受け止めていた牛は、忽ち渾身の勇をふるってそれをね返し、鋭い大きな二本の角でぐさりと馬の右腹を突いた。
闘牛 (新字新仮名) / 野上豊一郎(著)
と云いながら側へ近寄ると、病人は重い掻巻かいまき退けて布団の上にちゃんと坐り志丈の顔をジッと見詰めている。
しかし左門が振り返りざま、宙へ刀を揮うや、真っ先に進んでいた乾児の一人が、左右へ手を開き、持っていた刀を、氷柱つららのように落とし、けざまに斃れた。
血曼陀羅紙帳武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
山城守の顔がさっと変った。一同も打たれたようにけぞって、ざわざわと幸吉のほうへめよった。幸吉が言っていた。
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
小菅へ行く度に、いきにもかえりにも僕はこの障子の前を通るのを楽にしていた。
ヰタ・セクスアリス (新字新仮名) / 森鴎外(著)
ここにおいてか警察部長チーフコンステーブルは万一をおもんぱかり、彼に向かってせつに集会を中止せんことを求めたけれども、元来彼ロイド・ジョージは、自らかえりみてなおからずんばかつ寛博かんぱくといえどもわれおそれざらんや
貧乏物語 (新字新仮名) / 河上肇(著)
俺達はれとかはつて今まで自分の力量に気が附かず、雑種犬にまで白痴にされて段々田舎へ引込んで、支那チヤンの犬にさへ尻尾を下げて恐れ入つたもんだ。
犬物語 (新字旧仮名) / 内田魯庵(著)
実はひらりと身をかはしたと思ふと、忽ちどこかへ消えてしまつたのです。
河童 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
が、それが或所まで続くとかへつて妙に不安になつた。
戯作三昧 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
こたへていふ、銕炮てつはうを以てするはろんなし、香餌よきゑさを以てするは、かれ人のあざむくをれどもよくすてつゝしむ事あたはず、それとはりながらこれをくらひてかへつて人をあざむかんとしてとらへらるゝならんか。
水銀白を柔らかにいた薄葉を微風にうらえしている、たまに白砂の中に塩釜菊が赤紫色に咲いているのが、鮮やかに眼に映る外は、青い空と、緑の木と
梓川の上流 (新字新仮名) / 小島烏水(著)
それとも知らずに、御無礼を申したのは、へすへすもわしの落度ぢや。
往生絵巻 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
「腹が黒い」という語源が、そもそもこの辺りから出たものかどうか、それは詮索のほかとしまして、とにかく半だんの布、よく彼らに保護色を与え、機に応じ変に臨んで白くも黒くも意のままであります。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
わたしはそれでも反物たんものだん
ちるちる・みちる (旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)
今彼は、クリストに從はざることのいかに貴き價を拂ふにいたるやを知る、そは彼このうるはしき世とそのうらとを親しく味ひたればなり 四六—四八
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
後に冠君の話を聞くと、普通猟師などの入り込む路は、かえつて東側に在って割合に楽だとの事であった。
釜沢行 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
〔譯〕自らかへりみてなほきは、われ無きなり。千萬人と雖吾れ往かんは、物無きなり。
早「あれまア、馬めえ暴れやアがる、久藏ねぶったかえ……あれまア締りのねえ戸だ、叩いてるより開けてへいる方がい、よっぱれえになって仰向あおむけにぶっくりけえってそべっていやアがる、おゝ/\顔にあぶ附着くッついて居るのに痛くねえか、おきろ/\」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「さうだらう。其方の人相は、どう買ひかぶつても惡人といふ相ぢやない。鼻がそつくり返つて、眼尻が下がつて、齒が少し亂杭らんぐひだな。そんな刻みの深い顏は、總て善人か愚人ぐじんにあるものぢや」
それでもしばらくすると病人びやうにん意識いしき恢復くわいふくして、びり/\と身體からだふるはせて、ふとなはでぐつとつるされたかとおもふやうにうしろそりかへつて、その劇烈げきれつ痙攣けいれんくるしめられた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
その内に、同じくのッつ、そッつ、背中を橋に、草に頸窪ぼんのくぼを擦りつけながら、こう、じりりじりりと手繰たぐられるていに引寄せられて、心持動いたげにございました。
星女郎 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「ええッ!」と、おしおは思わず身をのけぞらしたが、また気を取りなおしたように、男の前へ詰め寄りながら、「討入の数に漏れた……とおっしゃるからには、やっぱりまだわたしに未練が残って……?」
四十八人目 (新字新仮名) / 森田草平(著)
ボールがはずまないから、お春さんのゴム靴を削ってくっ付けた。
いたずら小僧日記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
始めてくまを水に溶き込んだように黒ずんだ濃い汁を、金盥かなだらいになみなみともどした時、医者はまゆを寄せて、こういうものが出るようでは、今のうち安静にして東京に帰った方が好かろうと注告した。
思い出す事など (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
ワグナーの音楽の感銘は強大深甚しんじんで、その支持者はきわめて熱烈であった反面には、常にアンチワグネリスムスの萌芽ほうがはぐくまれ、時あって全ワグナーの功業、芸術を、九地の底に葬らずんばやまざらんとしたことも事実である。
楽聖物語 (新字新仮名) / 野村胡堂野村あらえびす(著)
自分と佃との交渉が始まってから、何と沢山、アンティ佃の言葉をきかされたことだろう。
伸子 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
さうしてこの「ジユンテーゼ」の中にあつて「テーゼ」も「アンテイテーゼ」も共に破壞され、高められ、保存(Aufheben)されることである。
三太郎の日記 第三 (旧字旧仮名) / 阿部次郎(著)
齊明天皇の御世に、百濟援助の目的で戰艦を造つたが、折角出來上ると間もなく「トモカヘル」といふ有樣で、實用に適せなかつたといふ(『日本書紀』卷廿六)。
大師の入唐 (旧字旧仮名) / 桑原隲蔵(著)
古言にもある。主ニソムイテ盗ミヲナスイズクンゾ期スベケンヤ——と。黄蓋いま、深恨断腸しんこんだんちょう、三代の呉をそむいて麾下きかに降らんとするにあたり——もし日限を約して急に支障を来し、来会の日をたがえたなら、丞相の心はたちまち疑心暗鬼ぎしんあんきにとらわれ、遂に、一心合体の成らぬのみか、黄蓋は拠るに陣なく、帰るに国なく、自滅の外なきに至ります。
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)