“顛倒”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
てんとう67.8%
てんどう9.0%
てんだう8.6%
てんたう6.0%
ひっくりかえ2.1%
ひつくりかへ1.7%
ひっくりけえ0.9%
あべこべ0.4%
ぐれ0.4%
ころがり0.4%
ひっくり0.4%
ひっくりけ0.4%
ひつくり0.4%
ひッくりかえ0.4%
ぶっくりけえ0.4%
オーヴァスロー0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
臍下丹田に力をめれば、放屁の音量を大にするばかりであり、丹田の力をぬけば、心気顛倒して為すところを失うばかりであった。
閑山 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
癇張声に胆を冷やしてハッと思えばぐゎらり顛倒手桶枕に立てかけありし張物板に、我知らず一足二足踏みかけて踏みしたる不体裁さ。
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
お利榮は四十二三の愚痴つぽい女で、夫の急死と娘の失踪顛倒し、何を訊いてもしどろもどろですが、主人の前身に就ては
更にこの悲劇が単なる悲劇として終つてゐるのであるが、それはこの顛倒した嫉妬に当るだけの行為が、情婦に少しもないことである。
日本三文オペラ (新字旧仮名) / 武田麟太郎(著)
その小娘の十四になるのがを一把持っていたが、橋の中央に往ったところで突然顛倒って、起きた時には鰊はもう無かった。
堀切橋の怪異 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
グートをもかずにむと、ゴロ/\/\とまつたからウーム、バターリと仰向さまに顛倒つてふ。
黄金餅 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
森「フム何を云うのだ、いま女が雪の中へ顛倒っていたのを、旦那が可愛そうだと云って連れて来たのだ、出合いじゃアねえぜ」
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
いや、大胆になったから饒舌れたんだろう、君の云う事は顛倒じゃないかとやり込める気なら、そうして置いてもいい。いいが、それはあまり陳腐でかつ時々になる。
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「おとつゝあは酩酊つたつてそんなに顛倒なけりやよかつぺなあ」といた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
やはりそのとき飛び出そうとして大廊下をごろごろ顛倒回り、大きな音をたてて鳴いたが、あまり重量がありすぎたのでこのほうはついに飛べなかったとていまにある。
東奥異聞 (新字新仮名) / 佐々木喜善(著)
森「もし旦那え彼奴打擲ると顛倒かえるから、そうすると金高りますよ」
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
が何か云うといやにせゝら笑やアがるから、小癪にさわるからり付けようと思いましたがね、今こゝで彼奴をつとウーンと云って顛倒えって仕舞うから、えていたのです。
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
主人の妻が「あツ、あツ」と夜天に鳴く五位鷺の様な声をして驚き倒れる機会に鳥籠が顛倒かへると、籠の中から隣人と不義をした首がはれて幕に成つた。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
の胃袋は痙攣を起したように引締って、臓腑顛倒るような苦しみ。臭い腐敗した空気が意地悪くむんむッと煽付ける。
其の代りにゃアこゝな家は忙がしくて、庭のを一日に十里の道は歩くから、夜は草臥れて顛倒ってしまうのサ、それから見ると熊ヶの女共はえ着物を着ていて楽な代りに
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
刀や槍で武装した三十人の群衆を撃滅したりするが、彼等は空中に飛び上り、床に触れることなく後向きにもんどり打ったり、文字通りの顛倒である。