“顛倒”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
てんとう66.1%
てんだう9.6%
てんどう9.6%
てんたう6.8%
ひっくりかえ2.3%
ひつくりかへ1.7%
あべこべ0.6%
ぐれ0.6%
ころがり0.6%
ひつくり0.6%
(他:3)1.5%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
“顛倒”を含む作品のジャンル比率
文学 > 日本文学 > 小説 物語3.2%
文学 > 日本文学 > 評論 エッセイ 随筆0.5%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
木の根につまずいて顛倒てんとうしそうになっても、にこりともせず、そのまま、つんのめるような姿勢のままで、走りつづけた。
乞食学生 (新字新仮名) / 太宰治(著)
お静はあまりの事に顛倒てんとうして、平次のひざすがりつくと、赤ん坊のようにイヤイヤをしながら泣きました。
不意ふいこととて、しんから顛倒てんだうしてつたので、其樣そんことかんがいとまもない
お靜はあまりの事に顛倒てんだうして、平次の膝にすがり附くと、赤ん坊のやうにイヤイヤをしながら泣きました。
葉書でも来はすまいかと、待ちたくないと戒めながら、心の底で待っていたが、あれは顛倒てんどうした考えであったかも知れない。
青年 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
今まで気が顛倒てんどうしていたので、流石さすがにそこまではかなかったが、安行の前歯は左が少しくけていた。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
私は気も顛倒てんたうして咄嗟とつさに泥んこでよごれた手で鍬を振り上げ、父の背後に詰寄つて無念骨髄の身がまへをした。
途上 (新字旧仮名) / 嘉村礒多(著)
やまも、たにも、一時いちじ顛倒てんたうするやうひゞきともに、黒煙こくえんパツと立昇たちのぼる。
その小娘の十四になるのがにしんを一把持っていたが、橋の中央に往ったところで突然顛倒ひっくりかえって、起きた時には鰊はもう無かった。
堀切橋の怪異 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
お時は一声叫ぶなり仰向けに顛倒ひっくりかえったが、やっと正気づいて逃げ帰って三日工場を休んだ。
堀切橋の怪異 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
グートいきをもかずにむと、ゴロ/\/\とのどまつたからウーム、バターリと仰向あふむけさまに顛倒ひつくりかへつてしまふ。
黄金餅 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
膝はぎくりと折れさうにからだ顛倒ひつくりかへりさうになる。
水汲み (新字旧仮名) / 徳冨蘆花(著)
いや、大胆になったから饒舌れたんだろう、君の云う事は顛倒あべこべじゃないかとやり込める気なら、そうして置いてもいい。
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「おとつゝあは酩酊よつぱらつたつてそんなに顛倒ぐれなけりやよかつぺなあ」とひとつぶやいた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
またこの和尚の在世中に、数百人の学徒に飯を焚いて食わせた大釜があったが、やはりそのとき飛び出そうとして大廊下をごろごろ顛倒ころがり回り、大きな音をたてて鳴いたが、あまり重量がありすぎたのでこのほうはついに飛べなかったとていまにある。
東奥異聞 (新字新仮名) / 佐々木喜善(著)
主人の妻が「あツ、あツ」と夜天に鳴く五位鷺ごゐさぎの様な声をして驚き倒れる機会はづみに鳥籠が顛倒ひつくりかへると、籠の中から隣人りんにんと不義をしためかけなま首があらはれて幕に成つた。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
からの胃袋は痙攣けいれんを起したように引締って、臓腑ぞうふ顛倒ひッくりかえるような苦しみ。
庭のうちを一日に十里ぐれえの道は歩くから、夜は草臥れて顛倒ぶっくりけえってしまうのサ、それから見ると熊ヶの女共はやあらけえ着物を着ていて楽な代りに、此家こゝへ来ると三日も勤まりやせんで
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
たった一人の男——位の高いサムライ——が、扇子を一本持った丈で、刀や槍で武装した三十人の群衆を撃滅オーヴァスローしたりするが、彼等は空中に飛び上り、床に触れることなく後向きにもんどり打ったり、文字通りの顛倒オーヴァスローである。