“五位鷺”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ごいさぎ88.4%
ごゐさぎ11.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そよそよと流れて来る夜深よふけの風には青くさいしいの花と野草のにおいが含まれ、松のそびえた堀向ほりむこうの空から突然五位鷺ごいさぎのような鳥の声が聞えた。
つゆのあとさき (新字新仮名) / 永井荷風(著)
しりもも膝頭ひざがしらが一時に飛び上がった。自分は五位鷺ごいさぎのように布団の上に立った。そうして、四囲あたりを見廻した。そうして泣き出した。
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
こゑが、五位鷺ごゐさぎの、げつく、げつくともこえれば、きつねさけぶやうでもあるし、いたちがキチ/\とぎしりする、勘走かんばしつたのもまざつた。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
主人の妻が「あツ、あツ」と夜天に鳴く五位鷺ごゐさぎの様な声をして驚き倒れる機会はづみに鳥籠が顛倒ひつくりかへると、籠の中から隣人りんにんと不義をしためかけなま首があらはれて幕に成つた。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)