“鷦鷯”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
みそさざい61.1%
みそさゞい5.6%
みそさゞへ5.6%
ささき5.6%
さざい5.6%
さざき5.6%
しょうりょう5.6%
せうれう5.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ひたきのやうに獨りぼつちで居なければならない事も知つてゐた。鷦鷯みそさざいのやうに鹽斷ちをしなければならない事を知つてゐた。
久米の仙人 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
脊の高い無神經な容子をしたイングラム卿は、小さく快活なエミー・イィシュトンの椅子の背中に腕を組んでりかゝつてゐる。彼女は、彼を見上げて、まるで鷦鷯みそさゞいか何ぞのやうにお喋舌しやべりしてゐる。
有島氏がこゝまで話して来ると、聴衆ききてまじつてゐた西洋婦人は鷦鷯みそさゞへのやうに口をとがらせて「ち、ち、ち……」と鋭い音を立てた。
余は寺町御池下る町銭屋総四郎を訪ふ。(姓鷦鷯ささき、名春行しゆんかう号竹苞楼ちくはうろうとがうす。)主人家に在て応対歓晤はなはだかなへり。古物数種を出して観しむ。所蔵の大般若第五十三巻零本巻子なり。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
ひたき鷦鷯さざいなどが、山から里へおとづれて来るには、頭を円めた遁世者のやうに、どんな時でも道連のない一人旅ときまつてゐるが
独楽園 (新字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
大鵬たいほう南を図って徒らに鷦鷯しょうりょうに笑われんのみ。余は遂に未遂の大望を他に漏らす能わざるなり。
子規居士と余 (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
秋はまた寒寂と隠遯とを楽む心を、鷦鷯せうれうのあのくすぼつたい小さな胸のなかに産みつけてゐる。
独楽園 (新字旧仮名) / 薄田泣菫(著)