“鴛鴦”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
おしどり41.7%
をしどり18.1%
えんおう13.9%
おし11.1%
ゑんあう5.6%
ヲシ4.2%
をし2.8%
えんわう1.4%
ヲシドリ1.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
水鳥の雌雄の組みが幾つも遊んでいて、あるものは細い枝などをくわえて低く飛び交(か)ったりしていた。鴛鴦(おしどり)が波の綾(あや)の目に紋を描いている。
源氏物語:24 胡蝶 (新字新仮名) / 紫式部(著)
「そんな氣樂なものぢやありませんよ。鴛鴦(をしどり)のやうに仲よく添寢してゐる夫が、夜中に脱け出して人を殺すでせうか——ツて」
春宵の夢魂、まだ醒めやらぬ顔して、董卓は、その巨躯を、鴛鴦(えんおう)の牀(しょう)に横たえていたので、唐突な彼の跫音に、びっくりして身を起した。
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
北浦には波がよせながら南の浦は魚の息さえみえるほど澄んでいる。鴨の群はまだか、鴛鴦(おし)はと思って眺めてもそれらしい影もみえない。
島守 (新字新仮名) / 中勘助(著)
渝(かは)らぬ契(ちぎ)りの誰(た)れなれや千年(せんねん)の松風(しようふう)颯々(さつ/\)として血汐(ちしほ)は殘(のこ)らぬ草葉(くさば)の緑(みどり)と枯(か)れわたる霜(しも)の色(いろ)かなしく照(て)らし出(い)だす月(つき)一片(いつぺん)何(なん)の恨(うら)みや吊(とぶら)ふらん此處(こゝ)鴛鴦(ゑんあう)の塚(つか)の上(うへ)に。
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
鴛鴦(ヲシ)・を丘(ムレ)の雲・みなぎらふ水・山越ゆる鴨群(アヂムラ)など、時代が純粋な叙景詩を欲して居たら、直に其題材を捉へて歌ふ事の出来る能力を見せて居る。
叙景詩の発生 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
かゞやける道あゆみ行く二人なり鴛鴦(をし)のちぎりもなど羨(うらや)まむ
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
其(そ)の実(じつ)、矢叫(やさけび)の如(ごと)き流(ながれ)の音(おと)も、春雨(はるさめ)の密語(さゝやき)ぞ、と聞(き)く、温泉(いでゆ)の煙(けむ)りの暖(あたゝか)い、山国(やまぐに)ながら紫(むらさき)の霞(かすみ)の立籠(たてこも)る閨(ねや)を、菫(すみれ)に満(み)ちた池(いけ)と見る、鴛鴦(えんわう)の衾(ふすま)の寝物語(ねものがた)りに——主従(しゆじう)は三世(さんぜ)、親子(おやこ)は一世(いつせ)
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)
妹(イモ)とわれ 寝がほならべて、鴛鴦(ヲシドリ)の浮きゐる池の雪を 見る哉﹆
橘曙覧評伝 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)