“煙”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
けむ40.2%
けむり34.3%
けぶり13.5%
けぶ10.1%
いぶ0.3%
えん0.3%
くすぶ0.3%
0.3%
けふり0.3%
けむっ0.3%
(他:1)0.1%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
“煙”を含む作品のジャンル比率
文学 > 日本文学 > 小説 物語(児童)7.3%
文学 > 日本文学 > 小説 物語6.0%
文学 > 日本文学 > 詩歌2.8%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
なんにも知らないで其の話をしているお雪のうしろには、きっと撫子の浴衣の影がけむのように付きまつわっているに極まった。
半七捕物帳:16 津の国屋 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
時々けむのようになって船の形が消えるだね。浪が真黒まっくろに畝ってよ、そのたびに化物め、いきをついてまた燃えるだ。
海異記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
そのくせ、こいつらは、噴火でくだけて、まっくろなけむりと一緒に、空へのぼった時は、みんな気絶していたのです。
気のいい火山弾 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
灼熱しゃくねつした塵埃じんあいの空に幾百いくひゃく筋もあかただれ込んでいる煙突えんとつけむり
渾沌未分 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
この一本をふかしてしまったら、起きて籠から出してやろうと思いながら、口から出るけぶり行方ゆくえを見つめていた。
文鳥 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
西に当たってさらにけぶりの見ゆるは、平遠へいえん広丙こうへい鎮東ちんとう鎮南ちんなん及び六隻の水雷艇なり。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
殊に其日の空気はすこし黄に濁つて、十一月上旬の光に交つて、斯の広濶ひろ谿谷たにあひを盛んにけぶるやうに見せた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
武男の手よりすべり落ちたる葉巻は火鉢に落ちておびただしくうちけぶりぬ。一燈じじと燃えて、夜の雨はらはらと窓をうつ。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
しかもその噂を立てているのが、一般国民大衆とは違って、伝統や格式を重んじるごく一部の貴族富豪の特権階級だけに、それらの噂はパッと燃え上りもせぬが、同時に消えもせず、燃え残りの焚火たきびがプスプスと、いつまでもいぶっているような工合であった。
グリュックスブルグ王室異聞 (新字新仮名) / 橘外男(著)
が今は、繊維工場のえんとつが、渡良瀬川をけむらせていた。
随筆 私本太平記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ところで、家や土蔵が崩れ落ちて、柱や商品のぶすぶすくすぶる白い煙のかげに、この地方では見かけぬ消防夫が、あっちこっちにも立っている。
老狸伝 (新字新仮名) / 佐藤垢石(著)
海苔粗朶のりそだに汐の立ちて寒き夜は地酒もがもと父のらすに
海阪 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
霜の未明まだきはこもる渡し場に子と出て見居り汐の満つるを
海阪 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
満枝はにはか煙管きせるもとめて、さてかたはらに人無きごとゆるやかけふりを吹きぬ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
いつか火の気の絶えたるに、檀座たんざに毛糸の敷物したる石笠いしがさのラムプのほのほを仮りて、貫一はう事無しにけふりを吹きつつ
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
「すこしけむったくなって来たナア。開けるか」とW君は起上って、細目に小屋の障子を開けた。しばらく屋外そとを眺めて立っていた。
千曲川のスケッチ (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
青木さんはすぐにえんの籐イスにせてたば草をふかしながら、夕かんみはじめた。
(旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)