“煙”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
けむ38.9%
けむり36.2%
けぶり13.3%
けぶ9.5%
0.3%
けふり0.3%
けふ0.3%
いぶ0.3%
えん0.3%
くすぶ0.3%
けむっ0.3%
たば0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
おかがると、はるのころは、新緑しんりょく夢見ゆめみるようにけむった、たくさんの木立こだちは、いつのまにかきられて、わずかしかのこっていなかった。
風はささやく (新字新仮名) / 小川未明(著)
あおい、うつくしいそらしたに、くろけむりがる、煙突えんとつ幾本いくほんった工場こうじょうがありました。その工場こうじょうなかでは、あめチョコを製造せいぞうしていました。
飴チョコの天使 (新字新仮名) / 小川未明(著)
取する者も無なりしにぞ長庵今は朝暮あさゆふけぶり立兼たちかねるより所々しよ/\方々はう/″\手の屆く丈かり盡して返すことをせざれば酒屋米屋薪屋まきやを始め何商賣なにしやうばい
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
からははひにあともとゞめずけぶりはそら棚引たなびゆるを、うれしやわが執着しふちやくのこらざりけるよと打眺うちながむれば、つきやもりくるのきばにかぜのおときよし。
軒もる月 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
海苔粗朶のりそだに汐の立ちて寒き夜は地酒もがもと父のらすに
海阪 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
蝋燭のほのほと炭火の熱と多人数たにんず熱蒸いきれと混じたる一種の温気うんきほとんど凝りて動かざる一間の内を、たばこけふり燈火ともしびの油煙とはたがひもつれて渦巻きつつ立迷へり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
待て夜食の支度したくして爰を立出泉州さかひに着し知音ちいんの方を尋ねけるに其知音と云は至つて貧敷まづしく日々人にやとはれかすかなるけふりも立兼ねるものなりしが先爰にかくれて逗留とうりうし能き傳手つて
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
燃え残りの焚火たきびがプスプスと、いつまでもいぶっているような工合であった。
グリュックスブルグ王室異聞 (新字新仮名) / 橘外男(著)
ここの機業史はそれほど古い。が今は、繊維工場のえんとつが、渡良瀬川をけむらせていた。
随筆 私本太平記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ところで、家や土蔵が崩れ落ちて、柱や商品のぶすぶすくすぶる白い煙のかげに、この地方では見かけぬ消防夫が、あっちこっちにも立っている。
老狸伝 (新字新仮名) / 佐藤垢石(著)
「すこしけむったくなって来たナア。開けるか」とW君は起上って、細目に小屋の障子を開けた。しばらく屋外そとを眺めて立っていた。
千曲川のスケッチ (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
青木さんはすぐにえんの籐イスにせてたば草をふかしながら、夕かんみはじめた。
(旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)