“海苔粗朶”の読み方と例文
読み方割合
のりそだ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
この殿にまうでて見れば、あなかしこ小松叢生むらおひ、にい寄る玉藻いろくづ、たまたまは棹さす小舟、海苔粗朶のりそだあひにかくろふ。
(新字旧仮名) / 北原白秋(著)
あの船や鴎はどこから来、どこへ行ってしまうのであろう? 海はただ幾重いくえかの海苔粗朶のりそだの向うに青あおと煙っているばかりである。……
少年 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
親仁はうしろへ伸上って、そのまま出ようとする海苔粗朶のりそだの垣根のもとに、一本二本咲きおくれた嫁菜の花、あしも枯れたにこはあわれと、じっと見る時、菊枝は声を上げてわっと泣いた。
葛飾砂子 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)