“許”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
もと43.2%
ばか19.5%
ゆる12.8%
ばかり8.0%
とこ7.2%
ゆるし3.0%
ところ2.5%
0.9%
ばつか0.3%
こと0.3%
ゆるさ0.3%
バカリ0.3%
きょ0.2%
ばつ0.2%
ユル0.2%
きよ0.1%
いいなずけ0.1%
うち0.1%
がり0.1%
0.1%
0.1%
どこ0.1%
0.1%
ばかし0.1%
ばこ0.1%
ぱかり0.1%
ゆるす0.1%
0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
はらはらとその壇のもとに、振袖、詰袖、揃って手をつく。階子の上より、まず水色のきぬつまもすそを引く。すぐにみのかつぎたる姿見ゆ。
天守物語 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
いくたびもそっと床を離れては窓際に来たが、しーんと寝静まった村の中に、自分ひとり落ちつかないのが不安に感ぜられるばかりだ。
おとこは、さかんにわるいことをしました。しかし、世間せけんは、それをゆるすものではありませんから、じきにまたらえられてしまいました。
おけらになった話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
あなたがんな動機から神話を譯して御覽になつたかはまだ解らないが、恐らく文學を研究する人の手引草てびきぐさとしてばかりではないでせう。
『伝説の時代』序 (旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
「……それはご遠慮は申しませんの。母のとこへお参りをして下さいますのは分っていますけれどもね、そのさきに——誰かさん——」
縷紅新草 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
私は雪籠ゆきごもりのゆるしを受けようとして、たどたどと近づきましたが、扉のしまった中の様子を、硝子窓越がらすまどごしに、ふと見て茫然ぼうぜんと立ちました。
雪霊続記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
彼女は単に話のきっかけのために、自分のところに起ったことをごく簡単に聞かせたりした。男の方では主に役所のことを話してくれた。
フェリシテ (新字新仮名) / モーリス・ルヴェル(著)
「でも嬉しいことが一つあるよ。巴屋ともゑやの重三郎は勘當がりて、いよ/\和泉屋のお照と祝言することになつたとさ、めでたし/\ぢやないか」
『マ清子さん!……貴女其麽そんなに……私になら何だつて言つて下すつたつていわ。貴女ばつかりよ、私姉さんの様に思つてるのは!』
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
「なに、老いてとな。山城もはや、ことし六十を迎えたが、まだまだ、老いた気はせぬ。おことらはちょうど、卵の殻を出たばかりの雛鳥ひなどりよ。はははは、男ざかりは、六十越えてじゃ」
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「また受造者つくられしものみづから敗壊やぶれしもべたることを脱れ神の諸子こたちさかえなる自由にいらんことをゆるされんとの望をたもたされたり」(羅馬書第八章二十一節)とあるは即ちこれなり。
主のつとめ (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
吾恋者千引乃石乎七バカリ繋母カケモ諸伏モロフシなど見えたれば大なる石の事を云へる古言なり、千人して引べき石と云ふ義にて、日本書紀神代巻に、千人所引磐石と書したるも
東奥異聞 (新字新仮名) / 佐々木喜善(著)
きょからしょうへと出る途すがら、子路が独り孔子の一行におくれて畑中のみちを歩いて行くと、あじかになうた一人の老人に会った。子路が気軽に会釈えしゃくして、夫子を見ざりしや、と問う。
弟子 (新字新仮名) / 中島敦(著)
さうおこつてはこまる喧嘩けんくわしながら歩行あるく往来わうらいひとわらふぢやアないか。だつてあなたが彼様あんなことばつかしおつしやるんだもの。
闇桜 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
凡隊中ノ事 一切隊長ノ処分シヨブンニ任ス 敢テ或ハ違背イハイスル勿レ モシ暴乱ボウラン事ヲヤブリ モウ謬害リヤウガイヒクニ至テハ 隊長其死活シクハツセイスルモ亦ユル
海援隊約規 (新字旧仮名) / 坂本竜馬(著)
今に土中より麻皺ましう古瓦こぐわいづるといへり。江濃こうのう両国境を経一里柏原駅。一里半醒井さめがゐ駅。虎屋藤兵衛の家に宿す。暑尤甚し。行程九里きよ
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
「なるほど、——ところで、編笠乞食との間柄は何だろう。兄妹きょうだいとか、いいなずけとか、話しぶりで見当は付かなかったろうか」
若い未亡人達が博士のうちを訪ねて来る事もあれば、また博士の方から、出掛けてく事もあつた。
何事なにごといでられんもるべからず、打明うちあけられしだけ殊勝しゆしようなり、よろつはゝむねにありまかせたまへとゆゑやみに、ある夕暮ゆふぐれ墓參ぼさんもどり、槖繩師うゑきやがりくるまをせて、りもせぬはちものゝ買上かひあ
たま襻 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
もっとも狆の手当てはお習いして、決して疎略にはしません。一つ御無心をおき下さるわけには参りますまいか
かくて傳吉は小娘に誘引いざなはある家に入て見ればはしらまがりてたふのきかたぶき屋根おちていかにも貧家ひんかの有樣なれば傳吉は跡先あとさき見回し今更立ち出んも如何と見合ける中に小娘はたらひ温湯ぬるゆ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
『瀬がはやえだでなア! これやハア先生どこ小供わらしだナ。』
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
『怎してもうしても、今夜こんにやヤ暮れツとがら、俺アお八重さんとり歩いてだもの。』
天鵞絨 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
『十人ばかしよ。』
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
主義だとか、主張だとか、人生観だとか云ふ窮窟なものは、てんで、これつぱかりくちにしないんだから、あるんだか、いんだか、殆んど要領を得ない。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
下り終れば川巾廣く穩かに流れて左右の岸には山吹咲き亂れ鳥うたひ魚躍るはじめは道端のヒヨロ/\流れ末は四面の田地にそゝぐ河となる岩間洩る滴りもあはする時は斯の如し小善とて嫌ふなかれ積めば則ち大善人小惡とてゆるすなかれ積めば即ち大惡人富は屋を
木曽道中記 (旧字旧仮名) / 饗庭篁村(著)
晩年になつて一度、死後にもまた、疑獄に坐した。さうして平城天皇の御宇まではりなかつた。