“ゆるし”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
42.1%
許可17.1%
9.2%
6.6%
許諾5.3%
許容2.6%
2.6%
宥恕2.6%
免許1.3%
免除1.3%
1.3%
承諾1.3%
1.3%
聴許1.3%
裁可1.3%
認可1.3%
赦免1.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
谷中へ越した時は、もはや娘は十四、五歳で、師匠は、まだ肩上げも取れぬけれども、絵の技倆うでは技倆だからといってゆるしをくれました。
芳子が父母に許可ゆるしを得て、父にれられて、時雄の門をおとのうたのは翌年の二月で、丁度時雄の三番目の男の児の生れた七夜の日であった。
蒲団 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
一五六おのが世しらぬ身の、御ゆるしさへなき事は重き一五七勘当かんだうなるべければ、今さら悔ゆるばかりなるを、姉君よく憐み給へといふ。
余は鰥寡孤独かんかこどくうれいに沈むもの、或は貧困縷衣るいにして人目ひとめはばかるもの、或は罪にはじ暗処あんしょに神のゆるしを求むるもののもとを問い、ナザレの耶蘇いえすの貧と孤独とめぐみとを語らん
基督信徒のなぐさめ (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
「え……」と言って、芳子は顔を挙げて、「それで先生、私達もそう思って、今はお互に勉強して、将来に希望を持って、親の許諾ゆるしをも得たいと存じておりますの!」
蒲団 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
はやるほどなほ落附おちつきてお友達ともだちたれさま御病氣ごびやうきときく格別かくべつなかひとではあり是非ぜひ見舞みまひまをしたくぞんじますがと許容ゆるし
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
瑠璃子の白い腕に触れるとそれを生命いのちの最後の力で握りしめながら、また差し延べられた手に、瑠璃子からのゆるしを感じながら、妻からの情を感じながら、最後の呼吸いきを引き取ってしまったのである。
真珠夫人 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
ただすと、源三はじゅつなさそうに、かつは憐愍あわれみ宥恕ゆるしとをうようなかおをしてかすか点頭うなずいた。源三の腹の中はかくしきれなくなって、ここに至ってその継子根性ままここんじょう本相ほんしょうを現してしまった。
雁坂越 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
「左様でございます。手前どもは上町かみまちの小屋に興行こうぎょうのお免許ゆるしを願っておりました染之助一座の楽屋者に相違ございません」
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
免除ゆるしのなんのと云うことを仰ゃいますな。
……何か嘘をつくと、その夜はきつと夜半に目が覚めた。さうしてそれが気にかかつてどうしても眠れなかつた。母を揺り起して、その切ない懺悔ざんげをした上で、ゆるしを乞ふとやつと再び眠れた。
「それはさぞお困りでござりましょう。しばらくお待ちなさりませ、主人の承諾ゆるしを受けましてから、どこへなとご案内いたしましょう」
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
先生は不相変あひかはらず御忙しくていらつしやいませうねエ——今日はネ、阿母おつかさん、慈愛館からおゆるしが出ましてネ、御年首に上つたんですよ、私、斯様こんな嬉しいお正月をするの、生れて始めてでせう
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
坪内先生は、他のお二人とは違って、笑い顔どころでなく、真剣に、腕組みをして、じっと聞いてくださっていて、暫く黙してのち、何も彼もお聴許ゆるしになった。
古い暦:私と坪内先生 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
それはさてき、みことはそのさい二晩ふたばんほどおとまりになって、そのままおかえりになられましたが、やがてみかどのお裁可ゆるしあおぎてふたた安芸あきくににおくだあそばされ
代官所の認可ゆるしを得て、村では、それから間もなく七十余両の鐚銭びたせんで街道安全の橋普請はしぶしんに取りかかった。
下頭橋由来 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「お前も聞いたろうね。恐ろしいことだよ、恐ろしいことだよ、告白もせず、罪の赦免ゆるしもうけないで死んじまうなんて。」