“鐚銭”の読み方と例文
旧字:鐚錢
読み方割合
びたせん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
母屋おもやは、幾度も幾度も、床下も、天井裏も、下水の中も、ゴミ箱も見ました。が、五千両は愚か、鐚銭びたせん一枚その辺りには見付かりません。
女史は毎週、土曜日の午後ひるすぎきまつたやうに鎌倉の別荘へ出掛けるが、そんな折にも鐚銭びたせん一つ持合さないのが何よりの自慢らしい。
いつか、月ノ宮の鳥居とりいの下で見たこともあるが、蛾次郎がじろうは、ただの物貰ものもらいとしか思わないので、いまの餅屋のおつりのうちから鐚銭びたせんを一枚なげて
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)