“午後”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ごご42.0%
ひるすぎ31.2%
ごゞ6.5%
ごゝ5.1%
ひるから4.3%
ひる3.6%
こご2.2%
おひる1.4%
ごや1.4%
ひるご1.4%
ひるさがり0.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「あんなことで、こすものじゃなくてよ。」と、しょうちゃんは、おねえさんにしかられました。ところが、その午後ごごでありました。
ねことおしるこ (新字新仮名) / 小川未明(著)
こんな午後ひるすぎに折よくも、巴里パリーで懇意になつた高佐たかさ文學士が來訪された。自分よりは一箇月ばかり後れて歸朝した大學の助教授である。
新帰朝者日記 (旧字旧仮名) / 永井荷風(著)
ある午後ごゞ。ぱちツと不思議ふしぎをとがしました。さやけたのです。まめみゝをおさえたなり、べたにころげだしました。
ちるちる・みちる (旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)
午後ごゝんだがれさうにもせずくもふようにしてぶ、せまたに益々ます/\せまくなつて、ぼく牢獄らうごくにでもすわつて
湯ヶ原より (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
午後ひるからになつてから、やつぱり氣がゝりだから、どうでも——町へ行つて、念のために、一應專門の眼科醫にて貰ふ事にしようと言つて伴れて出た。
赤い鳥 (旧字旧仮名) / 鈴木三重吉(著)
それできょうも朝五銭、午後ひるに六銭だけようやくかせいで、その六銭を今めし屋でつかってしまった。五銭は昼めしになっているから一もんも残らない。
窮死 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
くる午後こご太郎たろうはまたはたけなかてみました。すると、ちょうど昨日きのうおな時刻じこくに、おとこえてきました。
金の輪 (新字新仮名) / 小川未明(著)
冬は朝早くからかんざらいといって長唄ながうたのおさらいをする。午後おひるっからもする。三味線の音がよく聞えるので、ソラおあぐさんはおさらいだと私も三味線をもたされるので、その方角は鬼門だった。
寢帽ナイトキヤツプつけてまだ讀む月の午後ごやしきり粉雪のけはひさらめく
白南風 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
モンタギュー、其方そちは、この午後ひるごに、まうかすこともあれば、裁判所さいばんしょフリータウンへ參向さんかうせい。あらためてまうすぞ、いのちしくば、みな立退たちされ。
天保元年正月五日、場所は浅草、日は午後ひるさがり、人の出盛る時刻であった。大道手品師の鬼小僧、傴僂せむしで片眼で無類の醜男ぶおとこ、一見すると五十歳ぐらい、その実年は二十歳はたちなのであった。
柳営秘録かつえ蔵 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)