“おひる”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
正午42.5%
午飯15.0%
昼食10.0%
午餐10.0%
午後5.0%
御午5.0%
午食2.5%
午餉2.5%
御午餐2.5%
日中2.5%
昼餐2.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「市ヶ谷本村町丸◯番地、亀崎ちか方ですわ。いつでも正午おひる時分、一時頃までなら家にいます。おじさんは今どちら。」
つゆのあとさき (新字新仮名) / 永井荷風(著)
渠奴かやつ犬の為におびやかされ、近鄰きんりんより盗来ぬすみきたれる午飯おひるを奪はれしにきはまりたり、らば何ほどのことやある、とこゝに勇気を回復して再び藪に侵入せり。
妖怪年代記 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
茶と菓子とを運んだおんな昼食おひるのあと片付けを云いつけて、彼女はまた漠然たる思いの影を追った。遠くより来る哀悠が湖水の面にひたひたとさざなみを立てている。で側の小さい聖書をとり上げてみた。
湖水と彼等 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
午餐おひるベルが鳴って、食堂に降りて行くのもしぶしぶなくらいでした。
にいさん、午後おひるからりにいくの?」と辰夫たつおくんはききました。
草を分けて (新字新仮名) / 小川未明(著)
「おやもう。御午おひるですね。用事を忘れていた。——久一きゅういちさん、久一さん」
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
マーシャ (立ちあがる)もう午食おひるの時間よ、きっと。(だらけた気力のない歩き方をする)足がしびれたわ。……(退場)
もう、これ午餉おひるになりまするで、生徒方が湯を呑みに、どやどやと見えますで。
朱日記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「さあ、もう帰りませう。お前さんもお草臥くたびれだらうから、お湯にでも入つて、さうして御午餐おひる前なのでせう」
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
阿蘇山あそさん白煙はくえんを目がけて霜を踏み桟橋を渡り、路を間違えたりしてようやく日中おひる時分に絶頂近くまで登り、噴火口に達したのは一時過ぎでもあッただろうか。
忘れえぬ人々 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
まるで嘘みたいな話ですけど、ガラトィンスキイのお屋敷では、昼餐おひるはもとより、朝御飯のときまで第一公式で出なければいけませんの。
決闘 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)