“渠奴”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
きやつ33.3%
あいつ33.3%
かやつ16.7%
きゃつ16.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ち其の人體にんていで考へれば醫師と云るは町内の元益坊主ばうずきはまつたりと云は面體めんていのみならずくろ羽二重に桔梗の紋は掛替かけがへのなき一丁渠奴きやつ小西屋のみせへ行き隣の女に惡名を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
オイオイ姉さん、シャツを持ッてッとくれッてば……オイ……ヤ失敬な、モウいっちまッた。渠奴あいつ近頃生意気になっていかん。先刻さっきも僕ア喧嘩けんかして遣たんだ。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
渠奴かやつ犬の為におびやかされ、近鄰きんりんより盗来ぬすみきたれる午飯おひるを奪はれしにきはまりたり、らば何ほどのことやある、とこゝに勇気を回復して再び藪に侵入せり。
妖怪年代記 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
昇とあのままにして置いて独り課長に而已のみ取入ろうとすれば、渠奴きゃつ必ず邪魔を入れるに相違ない。からして厭でも昇に親まなければならぬ。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)