“きやつ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
彼奴77.3%
渠奴9.1%
4.5%
厮奴4.5%
此奴4.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
だから良し費消したところで、民事の制裁を受くべきものであるに、彼奴きやつ為にするところあつて、突然と予審廷へ告訴したんです。
誰が罪 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
渠奴きやつの長処は妙に記憶が好いので日本の新聞雑誌を読んで外国通を極込きめこむのだ。元来いつたい日本人は西洋の事情に暗い子。俺が毛唐の犬を知つてるほどに中々行かんさうだ。
犬物語 (新字旧仮名) / 内田魯庵(著)
徐々そろ/\ぬぎかけ座敷へ上らんとするに下男の彌助心のうち彌々いよ/\迷惑めいわくに思ひきやつに何とか云て何れにもとまらぬやう追出して仕廻しまはんともじ/\手を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
かすひとの有べきやはて不思議なる事もあるものだどうした譯の金なるやとやゝしばらく考へしがて見れば一文貰ひの苦紛くるしまぎれにきやつ切取きりとり強盜がうたう
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
何処かヲルフに似たやうな、饑死をし掛つた犬が一匹、家の周囲まはり彷徨ぶらついて居るから、名を呼んで見ると、厮奴きやつは歯を露出むきだして、噢咻うなつて逃げて仕舞ひました。
新浦島 (新字旧仮名) / ワシントン・アーヴィング(著)
見返りしに人影もなく丁度ちやうど往來も途絶とだえしかばその邊にて殺さんと思へども此奴きやつ勿々なか/\の曲者なれば容易たやすくうしなひ難しれども幸ひ今宵はやみにてくらさはくらしいかにも遣過やりすごしてと思ひ故意わざと腰を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)