“彷徨”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
さまよ49.9%
ほうこう30.7%
うろつ8.8%
はうくわう2.9%
さまよい1.6%
さすら1.3%
うろうろ1.1%
ぶらつ1.1%
うろ/\0.5%
ぶらぶら0.5%
(他:6)1.6%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
“彷徨”を含む作品のジャンル比率
文学 > フランス文学 > 小説 物語44.2%
文学 > 日本文学 > 小説 物語7.5%
文学 > 日本文学 > 詩歌0.9%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
ただ漠然と——姫路城下の花田橋の袂からあのまま数年の月日を——旅から旅へ、あてなく、彷徨さまよって来たに過ぎない。
宮本武蔵:03 水の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
彷徨さまよいあぐねてこの洞穴の一つのまえを通りかかった水無瀬女は、穴の中からうめき声に混ってこういうのを聞いた。
富士 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
過去と称する盲目の巨大な土竜もぐら彷徨ほうこうするのが暗黒の中に透かし見らるる、広大なる土竜もぐらの穴であって
——そして広場を彷徨ほうこうする彼らのキリストは恐ろしく饒舌じょうぜつで、世間的良心批判のごく機微な点にまで通じていた。
風の寒い濱邊を、飢ゑて疲れて、古袷一枚で彷徨うろつき乍ら、其檣を眺むるともなく眺めて「破船」といふことを考へた。
病院の窓 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
風の寒い浜辺を、飢ゑて疲れて、古袷一枚で彷徨うろつき乍ら、其檣を眺むるともなく眺めて「破船」といふことを考へた。
病院の窓 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
「ロメオ・アンド・ジユリヱット」の著者は、何が故にロメオが欝樹叢中に彷徨はうくわうしたりしやを記せず。
「歌念仏」を読みて (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
今の談理家はおの/\おのが方寸の小宇宙に彷徨はうくわう逍遙して、我が思ふところのみを正しとし、これを尺度として大世界の事を裁斷せんとす。
柵草紙の山房論文 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
彼の歩みは「歩み」というより、むしろ彷徨さまよいというべきであった。否むしろよろめきというべきであった。
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
彷徨さまよいあるき、なにかの幸福を手掴てづかみにしたい焦慮しょうりょに、身悶みもだえしながら
オリンポスの果実 (新字新仮名) / 田中英光(著)
イネ帝国が亡びると同時に、国軍の一部は、悲憤の涙をのんで、数隻の潜水艦に乗って、太青洋に彷徨さすらい出たのであった。
二、〇〇〇年戦争 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「されば、その河内路を心あてにしておりますなれど、山から山の彷徨さすらい、いかにせん、方角もわかりませぬ」
私本太平記:04 帝獄帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
来るといつても、先づ門口へ来て一寸々々ちよいちよい内を覗きながら彷徨うろうろしてゐるので、母に声を懸けられて初めて入つて来る。
刑余の叔父 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
唯相手のない恋で、相手を失って彷徨うろうろしている恋で、其本体は矢張やッぱり満足を求めて得ぬ性慾だ。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
三人は帰りにはすの咲いている池のはた彷徨ぶらつきながら、広小路で手軽に昼飯などを食ったのであった。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
晩方K—が、ぶらりと入って来たころには、甥と一緒に、外を彷徨ぶらついて帰って来た笹村が、薄暗い部屋の壁にりかかって、ぼんやりしていた。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
にん兵士へいしはそれをながら二三分間ぷんかん彷徨うろ/\してましたが、やがてしづかにものあといてすゝんできました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
『それに其風そのふうは何だよ。』とお山は言ふだけの事は云つてやると云ふふうで、『お前着物を如何どうなんだよ。此寒いのに、ベラ/\したあはせかなんかで。其樣そん姿なりで此邊を彷徨うろ/\しておくれでないよ、眞實ほんとうに外聞が惡いから。』
絶望 (旧字旧仮名) / 徳田秋声(著)
そして裏の空地を彷徨ぶらぶらして、また明るい部屋へ戻って見た。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
にぎやかなところばかりにいたお銀は、夜その下を通るたびに、歩をはやめる癖があったが、ある日暮れ方に、笹村にい出されるようにして、そこまで来て彷徨ぶらぶらしていたこともあった。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
といって、子供の時は、まったくたまにしか見ることはなかったのですけど、それが、中学のなかば頃からは、殆んど毎夜のように夢の世界を彷徨うろつき廻っていたのです。
歪んだ夢 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
どこをどう彷徨うろつきまわってたんだい
人間失格 (新字新仮名) / 太宰治(著)
蕭条しょうじょうと荒れ果てた灰色の野の中を、真黒い外套と共に、あてもなく彷徨さまよっている中田の顔は、世にもすさみ切った廃人のそれであった。
自殺 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
例え失望と無茶酒で、頭が平衡を失っていたとはいえ、俺はこの気違いと一緒に、何時間かの間この荒野を彷徨さまよい、狂人の奇怪な幻想の数々を、如何にも感心しながら聞いていたのか、と思うと何んともいえぬ莫迦莫迦しい腹立たしさを感じたのであった。
自殺 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
「青臭いどころか、お前、天狗巌てんぐいわだ、七不思議だと云ふ者が有る、可恐おそろしい山の中に違無いぢやないか。そこへ彷徨のそのそひまさうなかほをして唯一箇たつたひとりつて来るなんぞは、能々よくよく間抜まぬけと思はなけりやならんよ」
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
例のごとく当もなく彷徨ほッつき歩いていると、いつの間にか町外れへ出た。
世間師 (新字新仮名) / 小栗風葉(著)
サダマラズ、ヨロヨロ彷徨ホウコウ衆人蔑視シュウジンベッシマトタル、誠実セイジツ小心ショウシン
創生記 (新字新仮名) / 太宰治(著)