彷徨さまよひ)” の例文
追駈おつかけ候中とくに日は暮方角はうがくわからず彷徨さまよひりしうちはからずも九助に出會段々の物語りに手間取てまどり追々夜も更行ふけゆくしたがひ月も出しかば夫を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
さりとて今更いまさらはんもうしろめたかるべしなんど、まよひには智惠ちゑかゞみくもりはてゝや、五夢中むちう彷徨さまよひしが、流石さすがさだむるところありけん、慈愛じあひ二となき母君はゝぎみに、一日あるひしか/″\と打明うちあけられぬ
たま襻 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
さけび歩くにぞ名主なぬしの甚兵衞ももてあまし其隱居所いんきよじよ追出おひいだしけりさればお三婆は住家すみかを失なひ所々方々とうか彷徨さまよひしを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
拔より早く切付れば流石さすが不敵の曲者も二人が太刀先にかなひ難く河原の方へ逃行にげゆきしが以前の女の彷徨さまよひ居たるを其儘に引抱へ又かけ出せば九郎兵衞は遣らじと後よりとび掛れば忌々いま/\敷やと惡漢は女を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)