“慈愛”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
じあい55.6%
いつくしみ14.8%
いつくし7.4%
なさけ7.4%
じあひ3.7%
じさい3.7%
じひ3.7%
めぐみ3.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
教授は、したゝるような父親の慈愛じあいの眼で娘の方を見やったが再び芸術家によくある美の讃美に熱中しているときの決闘眼はたしめで新吉に迫った。
巴里祭 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
子の慈愛いつくしみ、老いたる父の敬ひ、またはペネローペを喜ばしうべかりし夫婦めをとの愛すら 九四—九六
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
だがそれにしても素姓の知れない彼のような山の子を、慈愛いつくしみ育てた養父の恩は誠に深いものである。しかるに彼はその養父を非業ひごうに死なせてしまったのである。
八ヶ嶽の魔神 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
平常ふだん気の知れぬ夫の傍に居て、口さがなき下婢げじよの手前などに気をかね、一途に気を張詰めたる身ですから、たまたま嬉しき母のことばを聞いてはしみじみ母の慈愛なさけが身に徹して、イイエ、なに
こわれ指環 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
さりとて今更いまさらはんもうしろめたかるべしなんど、まよひには智惠ちゑかゞみくもりはてゝや、五夢中むちう彷徨さまよひしが、流石さすがさだむるところありけん、慈愛じあひ二となき母君はゝぎみに、一日あるひしか/″\と打明うちあけられぬ
たま襻 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
医師の標札ひょうさつの出ているドアのびりんをおせば、知識ちしきがあり慈愛じさい深い人にかならず会うことができる。
春枝夫人はるえふじんにすぐれて慈愛じひめるひと日出雄少年ひでをせうねん彼等かれらあひだ此上こよなくめでおもんせられてつたので、たれとて袂別わかれをしまぬものはない、しか主人しゆじん濱島はまじま東洋とうやう豪傑がうけつふう
功名富貴こうめいふうきはいふにらず。吾いま母公ぼこう慈愛めぐみをかうむり、四八賢弟けんていゐやを納むる、何ののぞみかこれに過ぐべきと、よろこびうれしみつつ、又日来ひごろをとどまりける。