“慈姑”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
くわい71.4%
くわゐ28.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
この身動みじろぎに、七輪の慈姑くわいが転げて、コンと向うへ飛んだ。一個ひとつは、こげ目が紫立って、蛙の人魂ひとだまのように暗い土間に尾さえく。
古狢 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
その野菜というのが蓮根だの、慈姑くわいだの普通煮て食べる種類のものを、ただ皮を剥いただけで、ざくざく輪切りにしたものでありました。
仏教人生読本 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
青物あをものもやはり奧へゆけばゆくほど堆高うづたかく積まれてゐる。——實際あそこの人參葉の美しさなどは素晴しかつた。それから水に漬けてある豆だとか慈姑くわゐだとか。
檸檬 (旧字旧仮名) / 梶井基次郎(著)
どういふもので分るのか、それは文吾も知らないが、兎に角、源右衞門の汚い握り拳を透いて、中の紙捻こよりがギヤマンの鉢に浮く慈姑くわゐの根のやうに見えてゐた。
石川五右衛門の生立 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)