“枝垂桜”の読み方と例文
旧字:枝垂櫻
読み方(ふりがな)割合
しだれざくら100.0%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
東妙和尚は、広い庭の真中に植えられた大きな枝垂桜しだれざくらの下の日当りのよいところにむしろを敷いてその上で、石の地蔵をコツコツときざみはじめる。
その夜の夢にある岡の上に枝垂桜しだれざくらが一面に咲いていてその枝が動くと赤い花びらが粉雪のように細かくなって降って来る。
(新字新仮名) / 正岡子規(著)
これなるは有名なる醍醐の枝垂桜しだれざくら、こちらは表寝殿、あおい、襖の絵は石田幽汀いしだゆうていの筆、次は秋草の間、狩野山楽かのうさんらくの筆
大菩薩峠:41 椰子林の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
十分あまりも経っただろうか、枝垂桜しだれざくらに上っていた、例の大猿が悲鳴を上げた。そうして枝から転がり落ちた。
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
山門をはいってずっと奥にゆきますと、鐘楼があって、そこにまた格好のいい見事な枝垂桜しだれざくらがあります。
女の話・花の話 (新字新仮名) / 上村松園(著)
実際その瞬間彼の眼には、この夕闇に咲いた枝垂桜しだれざくらが、それほど無気味ぶきみに見えたのだった。
神神の微笑 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
しかしいまだかつて京都祇園ぎおんの名桜「枝垂桜しだれざくら」にも増して美しいものを見た覚えはない。
祇園の枝垂桜 (新字新仮名) / 九鬼周造(著)
枝垂桜しだれざくら、黒竹、常夏とこなつ花柘榴はなざくろの大木、それに水の近くには鳶尾いちはつ、其他のものが、程よく按排あんばいされ、人の手でいつくしまれて居たその当時の夢を
池の中洲に海底石の龕塔がんたふが葉を落した枝垂桜しだれざくらを挿んで立つてゐる。
名園の落水 (新字旧仮名) / 室生犀星(著)
月は五月に入って見事なこの枝垂桜しだれざくらはすっかり葉桜になっておりました。
生々流転 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)