“刻”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
きざ33.8%
とき30.4%
こく19.8%
どき5.5%
5.0%
きざみ1.7%
1.0%
きぎ0.7%
0.3%
トキ0.3%
(他:8)1.5%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
だれの善ですか。」諒安はも一度いちどそのうつくしい黄金の高原とけわしい山谷のきざみの中のマグノリアとを見ながらたずねました。
マグノリアの木 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
いわきざんでまうけられたけわしい階段かいだんがある、その階段かいだんつくすと、眞暗まつくらになつて
料理を教えるのに、塩何グラム、砂糖何もんめなどと、正確に出すなら、ねぎを適宜てきぎきざみ、塩胡椒しおこしょう少々などというな。
味覚馬鹿 (新字新仮名) / 北大路魯山人(著)
ときばかり時移ると、釘勘は、役宅の一室で、町方与力まちかたよりき蜂屋源之進はちやげんのしんという男と膝をつきあわせて談合中です。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
朝である、七宝寺しっぽうじの山で、ごんごんと鐘が鳴りぬいた、何日いつものときの鐘ではない、約束の三日目だ。吉報か、凶報かと村の人々は、
宮本武蔵:02 地の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
あれから一ときばかりたって、お綱は、すきやちぢみ小柳こやなぎの引っかけ帯、髪もぞんざい結びに巻きなおし、まるで別人のようになって、
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かあさんがわかると、一こくもおかあさんからはなれるのは、あかちゃんにとって、このうえなくかなしかったのであります。
はてしなき世界 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「このところ、夜々、月の出はこく(午後十時)過ぎ、従って、潮のざかりは、四こう丑満うしみつさがりとなりましょうか」
私本太平記:08 新田帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
いや三月十三日のとらノ一てん(午前四時)からたつこく(午前八時)までとあるから厳密には早朝一ト煙の市街戦だったといってよい。
私本太平記:06 八荒帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
あけの七ツから六ツ半どきの間がその日の満潮。浅瀬やわす都合の上に、ぜひ卍丸はその時刻にともづなを解かねばならぬ。
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
今夜こそと思っていると、朝四つどき、黒船の甲板が急に気色けしきばみ、錨を巻く様子が見えたかと思うと、山のごとき七つの船体が江戸を指して走り始めた。
船医の立場 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
「さあさあ、て来なされ、遊廓は灯ともし頃の宵がよく、もそっとよいのは、黄昏たそがどきかよというげな。武蔵どのも、ておざれ」
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
製糸工場の最初の経営者の墓は、花崗石みかげいしの立派なもので、寄付金をした有志の姓名は、金文字で、高い墓石にりつけられてあった。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
前髪を立てた、艶々しい髪に包まれた、美玉のような彼の顔は、淡く燈火の光を受けて、りを深くし、彫刻のような端麗さを見せていた。
血曼陀羅紙帳武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
……月子は静かに手を延ばしたがのみつちとを取り上げると、サク、サク、サクとりかけの仮面めんを、巧妙たくみ手練てなみで刻り出した。
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
満枝はたちまち声ををさめて、物思はしげに差俯さしうつむき、莨盆のふちをばもてあそべるやうに煙管きせるもてきざみを打ちてゐたり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
中を開けて見ると、粉煙草が少々、薩摩さつま國府こくぶでもあることか、これはきざみの荒い、色の黒い、少し馬糞まぐそ臭い地煙草ではありませんか。
銭形平次捕物控:050 碁敵 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
友禅模様の羽二重の着物とチャンチャンコを着ているが、髪の毛はきざみ煙草のような薄い亜麻毛で、子供が絵に塗る空の色のような、すき透った青い眼をしていた。
我が家の楽園 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
お定は馬に乾秣やたつて塩水に掻廻してつて、一担ぎ水を汲んで来てから夕餉の膳に坐つたが、無暗に気がそは/\してゐて、麦八分の飯を二膳とは喰べなかつた。
天鵞絨 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
小舎こやなかには、二十にんこなひきおとこが、うすってました。
お定は馬に乾秣やたつて鹽水に掻𢌞かきまはしてつて、一擔ぎ水を汲んで來てから夕餉の膳に坐つたが、無暗に氣がそはそはしてゐて、麥八分の飯を二膳とは喰べなかつた。
天鵞絨 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
せいぜい十八九にしか見えない若々しさも、生得の麗質が年齢をきぎむ由もないほど玲瓏れいろうとしているためでしょう。
煙草をきぎむ音などというものは、専売局が出来た以後の人間には縁が遠くなった。
古句を観る (新字新仮名) / 柴田宵曲(著)
銘めい、となり近処と小さなグルウプを作って、思い思いにひそひそ話し込んでいた一同が、これで、ひとつの長閑のどかな笑い声を立てると、その中の間の一枚あけ限りになっているお杉戸のかげに隠れてすわって、さっきからその議論に聴耳を立てていた人かげが、同時に眼じりにしわきぎんでにっこりした。
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
通りすがりに駕籠から見ると、石は道のまん中に転がっていて、上に南無阿弥陀仏とりつけてあった。
鳴雪自叙伝 (新字新仮名) / 内藤鳴雪(著)
「うム、きもり込んで、おぼえておけ」
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
今、一トキ破却ハキヤクニ会ヒ、一修行者ノ狂歌ヲ聞ク。
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
十二トキノ「立チザラシ」ニショ
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
薬研やげんで物をおろす音が壁に響いて来る。
家:01 (上) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
今は習慣的になつた悲哀の筋が彼の雄々をゝしい顏にきざまれてあつた。
これはおいを遠矢にかけて、その女房を奪ったとやら申すむくいから、左の膝頭にその甥の顔をした、不思議なかさが現われて、昼も夜も骨をけずるような業苦ごうくに悩んで居りましたが
邪宗門 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
辻の向側には曹洞宗東清寺としるした石碑と、玉の井稲荷の鳥居と公衆電話とが立っている。
濹東綺譚 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
「この間、旅先から手紙を寄越よこしなすったそうだが、なぜもっと早く来ないのかって、お家様もうわさをしていたのさ。船が出るのはだから、まだちょっと間がある。とにかく、寮のほうへ廻ってお目にかかって行きなさい。なに、せわしい最中だが、私がちょっと案内をして上げましょう」
鳴門秘帖:04 船路の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
以前から派手なのが嫌ひで、まだ若いのにあまり年増づくりだなどと言はれたのであつたが、その好みは今でも変らないらしく、黒繻子の帯に素銅すあかの二疋鮎のほりのしてある帯留などをしてゐた。
時子 (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)
五年の底から浮きりの深き記憶を離れて、咫尺しせきに飛び上がって来る。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
貴嬢きみが掌に宝丹移せし時、貴嬢きみは再びわが顔を打ち守りたまいぬ、うるみたる貴嬢の目の中には、むしろ一さじの毒薬たまえむごき君とのたもう心あざやかに読まれぬ。
おとずれ (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
二郎やむを得ず宝丹取りだして、われに渡しければわれ直ちに薬をすくいて貴嬢が前に差しいだしぬ、この時貴嬢きみまなこうるみてわが顔を打ち守りたまいたる、ああむごき君かなとのたまいしようにわれは覚えぬ。
おとずれ (新字新仮名) / 国木田独歩(著)