むご)” の例文
貴嬢きみが掌に宝丹移せし時、貴嬢きみは再びわが顔を打ち守りたまいぬ、うるみたる貴嬢の目の中には、むしろ一さじの毒薬たまえむごき君とのたもう心あざやかに読まれぬ。
おとずれ (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
われに渡しければわれ直ちに薬をすくいて貴嬢が前に差しいだしぬ、この時貴嬢きみまなこうるみてわが顔を打ち守りたまいたる、ああむごき君かなとのたまいしようにわれは覚えぬ。
おとずれ (新字新仮名) / 国木田独歩(著)