“前刻”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
さっき52.7%
さつき27.3%
さき5.5%
せんこく5.5%
さきに3.6%
さツき1.8%
いましがた1.8%
ぜんこく1.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ですから何日(いつか)の何時頃、此処(ここ)で見たから、もう一度見たいといっても、そうは行(ゆ)かぬ。川の流(ながれ)は同じでも、今のは前刻(さっき)の水ではない。
一寸怪 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
私(わし)はその前刻(さつき)から何(なん)となく此(この)婦人(をんな)に畏敬(ゐけい)の念(ねん)が生(しやう)じて善(ぜん)か悪(あく)か、何(ど)の道(みち)命令(めいれい)されるやうに心得(こゝろえ)たから、いはるゝままに草履(ざうり)を穿(は)いた。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)
跡方も無い嘘は吐(つ)けぬ。……爺さんは実に、前刻(さき)にお孝にもその由を話したが……平時(いつも)は、縁日廻りをするにも、お千世が左褄を取るこの河岸あたりは憚(はばか)っていたのである。
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
立派にいふて除けるつもりなりしも、涙の玉ははらはらはら、ハツト驚くお糸の容子(かほ)に、前刻(せんこく)より注意しゐたる義父は、これも堪へず張上げたる声を曇らし
心の鬼 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
こつねんと前刻(さきに)から一人で、一口ずつ飲んで、飲んでは仮睡(いねむり)をするらしかったが、ごッつり布子(ぬのこ)で、この時である。
卵塔場の天女 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
(難有(ありがた)う存(ぞん)じます、未(ま)だ些(ちツ)とも眠(ねむ)くはござりません、前刻(さツき)体(からだ)を洗(あら)ひましたので草臥(くたびれ)もすつかり復(なほ)りました。)
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)
旦那(だんな)、嘸(さぞ)お前様(めえさま)吃驚(びつくり)さつせえたらうが、前刻(いましがた)船(ふね)と一所(いつしよ)に、白(しろ)い裸骸(はだか)の人(ひと)さ焼(や)けるのを見(み)た時(とき)は、やれ、五十年百年目(ごじふねんひやくねんめ)には、世(よ)の中(なか)に同(おな)じ事(こと)が又(また)有(あ)るか、と魂消(たまげ)ましけえ。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)
前刻(ぜんこく)より無言(むごん)にて平伏(へいふく)したる恩田杢(おんだもく)は此時(このとき)はじめて頭(かうべ)を擡(もた)げ
十万石 (旧字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)