“平伏”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ひれふ57.1%
へいふく35.7%
へたば3.6%
かしこま1.8%
へこたま1.8%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そこで源三は抵抗もせずに、我を忘れて退いて平伏ひれふしたが、もう死んだ気どころでは無い、ほとんど全く死んでいて、眼には涙も持たずにいた。
雁坂越 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
両手を組んで、高く差し上げたかと思うと、再びそれを下に卸して、首を下につけた、というよりは、五体のすべてを投げ出して平伏ひれふしました。
大菩薩峠:38 農奴の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
おそりましてござります。』と、玄竹げんちくたゝみ平伏ひれふした。老眼らうがんからは、ハラ/\となみだがこぼれた。
死刑 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
「いかいお思召し違いにござります。大御所様には、今日越前勢が合戦の手に合わざったを、お怨みにござります」といったまま、色をかえて平伏ひれふした。
忠直卿行状記 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
斯うした胸の底の暗い祕密を覗かれる度に、われと不實に思ひ當る度に、彼は愕然として身を縮め、地面に平伏ひれふすやうにして眼瞼を緊めた。
崖の下 (旧字旧仮名) / 嘉村礒多(著)
と、福島正則ふくしままさのり和田呂宋兵衛わだるそんべえ蚕婆かいこばばあ修道士イルマンを連れてはるかに平伏へいふくさせた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
およびもつかんこと御座ござります、勿體もつたいないことで御座ござります。』と權藏ごんざう平伏へいふくしました、
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
そして二人は一緒に稲妻のマントにつかまりました。蠍が沢山たくさんの手をついて平伏へいふくして薬をのみそれから丁寧ていねいにお辞儀じぎをします。
双子の星 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
水戸黄門や乃木将軍の浪花節で、あわれな善人が助けられ、にくい悪人が「ヘヘエ」と平伏へいふくするところなども、何かゾクゾクとするどく心を打つものがある。
探偵小説の「謎」 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
また足軽は一般に上等士族に対して、下座げざとて、雨中うちゅう、往来に行逢ゆきあうとき下駄げたいで路傍ろぼう平伏へいふくするの法あり。
旧藩情 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
乳母 こちのも其通そのとほりに平伏へたばって、泣面べそかいて、哭立なきたてゝぢゃ。
象山は慌てて一発切つて放した。弾は以上に慌てて飛んでもない方角へれて往つた。すると直ぐうしろから江川がずどんと口火をきつた。猪は急所を撃たれてその儘平伏へたばつてしまつた。
そうさ、ねえさんおかわりだ、ヘイ宜しゅうってんで、なんしたんだが、あんまり大きすぎたのはいけないね、眼にたつんで、客の方が二の足でね、なにせ、だいぶお立派な方々でございまして、ヘッて、平伏かしこまっちまやがるんだから。ありゃいけないね、あんまりゴテゴテの戒名かいみょうなんぞつけたのは。
対手がそれで平伏へこたまれば可いが、さもなければ、盃をげて、唐突いきなり両腕を攫んで戸外そとへ引摺り出す。
刑余の叔父 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)