“平地”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
ひらち57.4%
へいち37.0%
たいら1.9%
ひらじ1.9%
ヒラチ1.9%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
草に巨人の足跡の如き、沓形くつがたの峯の平地ひらちへ出た。巒々らんらん相迫あいせまった、かすかな空は、清朗にして、明碧めいへきである。
栃の実 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「おっかあ、ここで見ていさっしゃい。なにも、試合するには、平地ひらちと限ったこたあねえ。登って行って、あの相手を、眼の下へたたき落してみせる」
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
停車場の近所の平地ひらちを走るときは楽だったが、国境の山へかかるとみちは急になって、玩具の汽缶車は汗をだらだらながして、うんうん言っています。
玩具の汽缶車 (新字新仮名) / 竹久夢二(著)
火葬場は日当りの好い平地ひらちに南を受けて建てられているので、車を門内に引き入れた時、思ったより陽気な影が千代子の胸に射した。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
そこで、何か見極みきわめたい気もして、その平地ひらち真直まっすぐくと、まず、それ、山の腹がのぞかれましたわ。
春昼 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
すると、私は退屈するから、平地へいちに波瀾を起して、すねて、じぶくッて、大泣に泣いて、そうしてお祖母ばあさんに御機嫌を取って貰う。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
それからしばらくたって、白いガチョウは、ニールスをせなかにのせて、山の平地へいちをよこぎり、地獄穴じごくあなのほうに、むかっていきました。
見下みおろすと、そこには、しろ大理石だいりせき建物たてものが、平地へいちにも、おかうえにもありました。
町の天使 (新字新仮名) / 小川未明(著)
 日本につぽん𤍠帶林ねつたいりんにはひるものは、臺灣たいわん平均へいきん一千いつせん五百尺ごひやくしやく以下いか平地へいち
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
おなまつながら、あるものは、安全あんぜん平地へいちをおろしているし、こうして、たえずおびやかされるものもある。
雲のわくころ (新字新仮名) / 小川未明(著)
「そうです。ほかの弾丸たまは、弾丸帯たまおびにキチンと並んでいて、一発も撃った形跡が無いし、弁当や水筒にも手がつけてないところを見ると、源次郎氏は、あの一本榎の平地たいらへ登り着くと間もなく、何かに向って二発の散弾を発射した。そうして後を詰めかえる間もなく谷川に転げ落ちて死んだものらしいと云うのです」
復讐 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
それから先はすこぶる簡単です。あのS岳峠の一本榎いっぽんえのきという平地たいらの一角に在る二丈ばかりの崖から、谷川にちて死んでいる実松氏の屍体したいを、夜が明けてから通りかかった兎追いの学生連中が発見して、村の駐在所に報告したので、大騒ぎになったものだそうで……死因は谷川に墜ちた際に、岩角で後頭部を砕いたためで、外にはすこしも異状を認められなかったそうです。
復讐 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
腰屋根の地割りだけなもあり、平地ひらじ割りだけなのもあり、初重の仕形だけのもあり、二手先または三手先、出し組ばかりなるもあり、雲形波形唐草からくさ生類しょうるい彫物のみを書きしもあり
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
いえ、幼いから馴れた山育ちですから、山は樂過ぎます。却て昨日晝半日の平地ヒラチの旅にはくたびれました樣なことで御座います。
死者の書 続編(草稿) (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)