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平地
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へいち
ふりがな文庫
“
平地
(
へいち
)” の例文
それからしばらくたって、白いガチョウは、ニールスをせなかにのせて、山の
平地
(
へいち
)
をよこぎり、
地獄穴
(
じごくあな
)
のほうに、むかっていきました。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
すると、私は退屈するから、
平地
(
へいち
)
に波瀾を起して、
拗
(
すね
)
て、じぶくッて、大泣に泣いて、
而
(
そう
)
してお
祖母
(
ばあ
)
さんに御機嫌を取って貰う。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
鐵
(
てつ
)
づくりの
門
(
もん
)
の
柱
(
はしら
)
の、やがて
平地
(
へいち
)
と
同
(
おな
)
じに
埋
(
うづ
)
まつた
眞中
(
まんなか
)
を、
犬
(
いぬ
)
は
山
(
やま
)
を
乘
(
の
)
るやうに
入
(
はひ
)
ります。
私
(
わたし
)
は
坂
(
さか
)
を
越
(
こ
)
すやうに
續
(
つゞ
)
きました。
雪霊続記
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
前回記する処の崖といささか
重複
(
ちょうふく
)
する嫌いがあるが、
市中
(
しちゅう
)
の坂について少しく述べたい。坂は即ち
平地
(
へいち
)
に生じた波瀾である。
日和下駄:一名 東京散策記
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
平城というのは、
天嶮
(
てんけん
)
によらず
平地
(
へいち
)
にきずいた
城塞
(
じょうさい
)
のことで、
要害
(
ようがい
)
といっては、高さ一
丈
(
じょう
)
ばかりの
芝土手
(
しばどて
)
と、
清冽
(
せいれつ
)
な水をあさく流した
濠
(
ほり
)
があるだけだ。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
日本
(
につぽん
)
で
𤍠帶林
(
ねつたいりん
)
にはひるものは、
臺灣
(
たいわん
)
の
平均
(
へいきん
)
一千
(
いつせん
)
五百尺
(
ごひやくしやく
)
以下
(
いか
)
の
平地
(
へいち
)
、
琉球本島
(
りゆうきゆうほんとう
)
の
南半分
(
みなみはんぶん
)
、
小笠原群島
(
をがさはらぐんとう
)
、
新領土
(
しんりようど
)
のマーシャル、カロリン、マリアナ
列島等
(
れつとうなど
)
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
平地
(
へいち
)
を行く時は大得意、馬上ゆたかに四囲の山々を眺め回わし、
微吟
(
びぎん
)
に興をやって、ボコタリボコタリ進む。
本州横断 痛快徒歩旅行
(新字新仮名)
/
押川春浪
、
井沢衣水
(著)
こういって、
村
(
むら
)
の
人
(
ひと
)
は、
平地
(
へいち
)
といわず、
山地
(
さんち
)
といわず、なしの
木
(
き
)
を
栽培
(
さいばい
)
して、これを
名産
(
めいさん
)
にしようと
企
(
くわだ
)
てました。やがてこの
村
(
むら
)
は、なしの
名産地
(
めいさんち
)
となりました。
金が出ずに、なしの産まれた話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
これは
絶
(
た
)
えず
蒸氣
(
じようき
)
、
火山灰
(
かざんばひ
)
、
鎔岩
(
ようがん
)
等
(
とう
)
を
噴
(
ふ
)
き
出
(
だ
)
す
中央
(
ちゆうおう
)
の
小丘
(
しようきゆう
)
から
溢
(
あふ
)
れ
出
(
で
)
たものであつて、かゝる
平地
(
へいち
)
を
火口原
(
かこうげん
)
と
名
(
な
)
づけ、
外輪山
(
がいりんざん
)
に
對
(
たい
)
する
中央
(
ちゆうおう
)
の
火山
(
かざん
)
を
中央火口丘
(
ちゆうおうかこうきゆう
)
と
名
(
な
)
づける。
火山の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
木曾
(
きそ
)
のやうに
山坂
(
やまさか
)
の
多
(
おほ
)
いところには、その
土地
(
とち
)
に
適
(
てき
)
した
馬
(
うま
)
があります。いくら
體格
(
たいかく
)
の
好
(
い
)
い
立派
(
りつぱ
)
な
馬
(
うま
)
でも、
平地
(
へいち
)
にばかり
飼
(
か
)
はれた
動物
(
どうぶつ
)
では、
木曾
(
きそ
)
のやうな
土地
(
とち
)
には
適
(
てき
)
しません。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
左伝に(隠公八年)
平地
(
へいち
)
尺
(
しやく
)
に
盈
(
みつる
)
を大雪と
為
(
す
)
と
見
(
み
)
えたるは
其国
(
そのくに
)
暖地
(
だんち
)
なれば也。
唐
(
たう
)
の
韓愈
(
かんゆ
)
が雪を
豊年
(
ほうねん
)
の
嘉瑞
(
かずゐ
)
といひしも
暖国
(
だんこく
)
の
論
(
ろん
)
也。されど
唐土
(
もろこし
)
にも寒国は八月雪
降
(
ふる
)
事
五雑組
(
ござつそ
)
に見えたり。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
一男がもう一度、板張の上に帰って来て、「お
邪魔
(
じゃま
)
しました」と挨拶してからまるで
平地
(
へいち
)
を歩くような様子で急な段階を下りて行く姿を、監督は残り惜しそうな眼で見送っていた。
秋空晴れて
(新字新仮名)
/
吉田甲子太郎
(著)
山が尽きて、岡となり、岡が尽きて、幅三丁ほどの
平地
(
へいち
)
となり、その平地が尽きて、海の底へもぐり込んで、十七里向うへ行ってまた
隆然
(
りゅうぜん
)
と起き上って、周囲六里の
摩耶島
(
まやじま
)
となる。
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
私
(
わたくし
)
の
修行場
(
しゅぎょうば
)
を
少
(
すこ
)
し
下
(
した
)
へ
降
(
お
)
りた
山
(
やま
)
の
半腹
(
はんぷく
)
に、
小
(
こ
)
ぢんまりとした
一
(
ひと
)
つの
平地
(
へいち
)
がございます。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
愈〻
(
いよ/\
)
平地
(
へいち
)
を
離
(
はな
)
れて
山路
(
やまぢ
)
にかゝると、これからが
初
(
はじ
)
まりと
言
(
い
)
つた
調子
(
てうし
)
で
張飛巡査
(
ちやうひじゆんさ
)
は
何處
(
どこ
)
からか
煙管
(
きせる
)
と
煙草入
(
たばこいれ
)
を
出
(
だ
)
したがマツチがない。
關羽
(
くわんう
)
も
持
(
もつ
)
て
居
(
ゐ
)
ない。これを
見
(
み
)
た
義母
(
おつかさん
)
は
徐
(
おもむろ
)
に
袖
(
たもと
)
から
取出
(
とりだ
)
して
湯ヶ原ゆき
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
野田
(
のだ
)
からは十
里
(
り
)
に
足
(
た
)
らぬ
平地
(
へいち
)
の
道
(
みち
)
を
鬼怒川
(
きぬがは
)
に
沿
(
そ
)
うた
自分
(
じぶん
)
の
村落
(
むら
)
まで
來
(
く
)
るのに、
冬
(
ふゆ
)
の
短
(
みじか
)
い
日
(
ひ
)
が
雜木林
(
ざふきばやし
)
の
梢
(
こずゑ
)
に
彼
(
かれ
)
を
待
(
ま
)
たなかつた。
彼
(
かれ
)
は
自分
(
じぶん
)
の
家
(
いへ
)
に
着
(
つ
)
いた
時
(
とき
)
は
醤油
(
しやうゆ
)
を
提
(
さ
)
げた
手
(
て
)
が
痛
(
いた
)
い
程
(
ほど
)
冷
(
ひ
)
えて
居
(
ゐ
)
た。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
陸
(
くが
)
を
行
(
ゆ
)
けば
平地
(
へいち
)
を
歩
(
あゆ
)
むが
如
(
ごと
)
く
孔雀船
(旧字旧仮名)
/
伊良子清白
(著)
これを
垂直的
(
すいちよくてき
)
に
見
(
み
)
れば、
平地
(
へいち
)
では
𤍠帶
(
ねつたい
)
に
屬
(
ぞく
)
する
臺灣
(
たいわん
)
でも、
新高山
(
にひたかやま
)
のように
高
(
たか
)
さ
一萬三千尺
(
いちまんさんぜんじやく
)
にもあまる
高山
(
こうざん
)
があるので、
前
(
まへ
)
の
温帶林
(
おんたいりん
)
の
上部
(
じようぶ
)
にこの
寒帶
(
かんたい
)
があります。
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
秀吉
(
ひでよし
)
は、きゃつめかならずこうくるな——と手を読んでいたから、四
方
(
ほう
)
の
平地
(
へいち
)
や森の人家のかげに、
堀尾茂助
(
ほりおもすけ
)
、
黒田官兵衛
(
くろだかんべえ
)
、
福島市松
(
ふくしまいちまつ
)
、
伊藤掃部
(
いとうかもん
)
、
加藤虎之助
(
かとうとらのすけ
)
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ガンたちは、
平地
(
へいち
)
の上を飛ぶときぐらい、
楽
(
たの
)
しいことはありません。そんなときには、
農場
(
のうじょう
)
から農場へと飛んでいっては、つぎつぎに
家畜
(
かちく
)
をからかってやるのです。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
ヴェスヴィオに
登山
(
とざん
)
した
人
(
ひと
)
は、
通常
(
つうじよう
)
火口内
(
かこうない
)
には
暗黒
(
あんこく
)
に
見
(
み
)
える
鎔岩
(
ようがん
)
の
平地
(
へいち
)
を
見出
(
みいだ
)
すであらう。
火山の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
目
(
め
)
を
転
(
てん
)
じると、あぶなげな
岩鼻
(
いわばな
)
に
根
(
ね
)
をおろした、
松
(
まつ
)
の
木
(
き
)
がありました。
同
(
おな
)
じ
松
(
まつ
)
ながら、あるものは、
安全
(
あんぜん
)
な
平地
(
へいち
)
に
根
(
ね
)
をおろしているし、こうして、たえずおびやかされるものもある。
雲のわくころ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
隣り寺を境に一段高くなった土手の上に三坪ほどな
平地
(
へいち
)
があって石段を二つ踏んで
行
(
い
)
き
当
(
あた
)
りの真中にあるのが、御爺さんも御父さんも浩さんも同居して眠っている河上家代々之墓である。
趣味の遺伝
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
それは
丁度
(
ちょうど
)
人間
(
にんげん
)
が
平地
(
へいち
)
を
駆
(
か
)
けると
同
(
おな
)
じく、
指端
(
ゆびさき
)
一
(
ひと
)
つ
触
(
ふ
)
れずに、
大木
(
たいぼく
)
の
幹
(
みき
)
をば
蹴
(
け
)
って、
空
(
そら
)
へ
向
(
む
)
けて
駆
(
か
)
け
上
(
あが
)
るのでございますが、その
迅
(
はや
)
さ、
見事
(
みごと
)
さ、とても
筆
(
ふで
)
や
言葉
(
ことば
)
につくせる
訳
(
わけ
)
のものではありませぬ。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
同
(
おな
)
じ
平地
(
へいち
)
でも
臺灣
(
たいわん
)
と
本州
(
ほんしゆう
)
と
北海道
(
ほつかいどう
)
とでは
樹木
(
じゆもく
)
が
違
(
ちが
)
つてゐるように
地球上
(
ちきゆうじよう
)
の
緯度
(
いど
)
の
差
(
さ
)
につれて、
言
(
い
)
ひかへると
赤道
(
せきどう
)
から
南
(
みなみ
)
と
北
(
きた
)
とへ
向
(
むか
)
つて
平
(
たひら
)
にすゝんでいくとすれば
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
キツネのほうは、何もない
平地
(
へいち
)
で、ガチョウをつかまえることは、とてもむりだと知っていましたから、さいしょのうちは、ガチョウのあとを追うのは、よそうと思いました。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
竹童のあわい影が
平地
(
へいち
)
から
崖
(
がけ
)
へ、
崖
(
がけ
)
から岩へ、岩から
渓流
(
けいりゅう
)
へと走っていくほどに、足音におどろかされた
狼
(
おおかみ
)
や
兎
(
うさぎ
)
、山鳥などが、かれの足もとからツイツイと
右往左往
(
うおうざおう
)
に逃げまわる。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そのうちに、
紅
(
あか
)
い
潮
(
しお
)
の
中
(
なか
)
から、一つの
美
(
うつく
)
しい
島
(
しま
)
が
産
(
う
)
まれました。
天使
(
てんし
)
は、その
島
(
しま
)
の
空
(
そら
)
を
飛
(
と
)
びまわりました。
見下
(
みお
)
ろすと、そこには、
真
(
ま
)
っ
白
(
しろ
)
な
大理石
(
だいりせき
)
の
建物
(
たてもの
)
が、
平地
(
へいち
)
にも、
丘
(
おか
)
の
上
(
うえ
)
にもありました。
町の天使
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
町
(
まち
)
はだらだらとして、
平地
(
へいち
)
の
上
(
うえ
)
に
横
(
よこ
)
たわっているばかりであります。
眠い町
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
“平地”の意味
《名詞:へいち》
平らで傾いていない土地。
《名詞:ひらじ》
平 地(ひらじ)
平織りの布地。
(出典:Wiktionary)
“平地(
平野
)”の解説
平野 (へいや) または平地 (へいち) とは、山地に対して、低く平らな広い地形のことを指す地理用語である。
(出典:Wikipedia)
平
常用漢字
小3
部首:⼲
5画
地
常用漢字
小2
部首:⼟
6画
“平”で始まる語句
平
平常
平生
平素
平和
平坦
平伏
平日
平家
平気