“差”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
60.8%
さし15.1%
たが7.0%
ちが4.8%
ざし2.7%
1.6%
ちがい1.6%
1.1%
ささ1.1%
いや0.5%
かはり0.5%
さす0.5%
すこ0.5%
たい0.5%
たがひ0.5%
ちげえ0.5%
ちご0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
いままでながもとしきりにいていたむしが、えがちにほそったのは、雨戸あまどからひかりに、おのずとおびえてしまったに相違そういない。
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
呆気あっけに取られて目も放さないで目詰みつめて居ると、雪にもまがうなじさしつけ、くツきりしたまげの根を見せると、白粉おしろいかおりくしの歯も透通すきとおつて
処方秘箋 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
来会の途で、ちょうど寺院から帰る子供に逢うごとに、ののしられ石をげられた。一夕試みに会処を移したが、時刻をたがえず犬がその家へ来た。
髭に続いてちがいのあるのは服飾みなり白木屋しろきや仕込みの黒物くろいものずくめには仏蘭西フランス皮のくつ配偶めおとはありうち、これを召す方様かたさまの鼻毛は延びて蜻蛉とんぼをもるべしという。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
と云われ源次郎は忍び姿の事なれば、大小を落しざしにして居りましたが、此の様子にハッと驚き、拇指おやゆびにて鯉口を切り、ふるえ声を振立ふりたって
声と一しょに従僧の手から、かくしの一刀が、サッとのびて燕作のかたをかすった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
教育のちがい、気質の異なり、そはもちろんの事として、先妻の姉——これが始終心にわだかまりて、不快の種子たねとなれるなり。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
ここを以て治めば、やまい愈えずということなし、という。果して言うところのごとくに、治めてえずということなし。得志、つねにその針を以て柱のうちに隠し置けり。
両親ぐらゐにひもじい思はきつとせませんから、破屋あばらやでも可いから親子三人一所に暮して、人に後指をさされず、罪も作らず、うらみも受けずに、清く暮したいぢやありませんか。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
経を考ふるに云はく、し国土に講宣かうせん読誦どくじゆ恭敬くぎやう供養くやうして此の経を流通るつうせるきみ有らば、我等が四王常に来りて擁護ゆごし、一切の灾障さいさうみな消殄せうでんせしめむ。憂愁うしう疫疾やくしつまた除きいやさしめむ。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
御自分がこひしく思召すのも、人が恋いのも、恋いにかはりは無いで御座いませう。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
同紀に、雖辺土未清余妖尚梗而トツクニハナホサヤゲリトイヘドモ中洲之地無風塵ウチツクニハヤスラケシてふと同意なるにてしりぬ。かくてその隣とは、此度は紀伊国をさす也。然れば莫囂国隣之の五字は、紀乃久爾乃キノクニノよむべし。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
新居の縁先には梅の樹があったと見えて枕山は「当門寧著五株柳。沿砌聊存一樹梅。把古人詩差自慰。茅檐猶勝竟無家。」〔門ニ当リテ寧ロ五株ノ柳ヲカン/砌ニ沿ヒテ聊カ一樹ノ梅ヲ存ス/古人ノ詩ヲリテすこシク自ラ慰ム/茅檐猶ついニ家無キニまさル〕と言っている。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
『はあ——ナニ、たいしたことでも無かつたんです。』と答へて、丑松は気を変へて
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
云ふもまた可笑をかつひに我輩問ひて此地の流行唄はやりうたに及びしに彼またくはしく答へて木曾と美濃と音調のたがひあることを論じ名古屋はまた異なりと例證に唄ひ分けて聞す其聲亮々りやう/\として岩走る水梢を
木曽道中記 (旧字旧仮名) / 饗庭篁村(著)
オイ軽蔑さげすむめえぜ、馬鹿なものを買ったのもせんじつめりゃあ、相場をするのとちげえはねえのだ、当らねえにはまらねえわサ。
貧乏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
天に二つの日を掛けたるがごとし、ならべるつのするどにして、冬枯れの森のこずえに異ならず、くろがねの牙上下にちごふて、紅の舌ほのおを吐くかと怪しまる、もし尋常よのつねの人これを見ば、目もくれ魂消えて