“恋”のいろいろな読み方と例文
旧字:
読み方割合
こい48.6%
15.4%
こひ13.1%
こほ4.6%
ラブ4.6%
した3.4%
おも1.7%
ラヴ1.1%
いと1.1%
こふ1.1%
こひし0.6%
こウひ0.6%
かな0.6%
ほれ0.6%
れん0.6%
アムール0.6%
コホ0.6%
スウィート0.6%
レン0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
片方は十八の青年、片方は十七の乙女おとめ。二人は外界をみな敵にして秘密の中で出会うのです。自然とこいが芽生えて来たのも当然です。
鯉魚 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
恐らく終生変らず、又、育つこともないもので、怖れ、うる切なさ、逃げ、高まりたい切なさ、十五の私も、四十の私も変りはないのだ。
石の思い (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
人間にんげん女房にようぼうこひしくるほど、勇気ゆうきおとろへることはない。それにつけても、それ、そのかばんがいたはしい。つた、またばしやり、ばしやん。
十和田湖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
この歌の、「恋ひ来れば」も、前の、「心こほしき」に類し、ただ一つこういう主観語を用いているのである。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
小村は真面目に、「は、有ります、尤もあれが真のラブと云ふものかどうか、そこは分りませんが。」と云ふ。
茗荷畠 (新字旧仮名) / 真山青果(著)
私は砂漠旅行者がオアシスをしたふに似た喉の乾きを覚へ(それは、叙情感、感傷、涙を希ふと云ひ代へても差支へない)
来ると自分をおもっている女が有りそうな、無さそうな、世の中が面白そうな、つまらなそうな、すごいようなつやっぽいような文句ばかり並べては帰る。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
僕も二三度引張って行かれたが、あの女には確かに、プラトニックなラヴの相手には適してるらしいエクセントリックな所があるね。
野ざらし (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
いとしい人の映画が掛っている時なら、それを見に行くことは云う迄もないが、それは必ず昼の中に切り上げて、夕方からは彼女の住居をよそながら眺めるために、公園へ散歩することにきめた。
アンドロギュノスの裔 (新字新仮名) / 渡辺温(著)
父母ちゝはゝのおん為に。経の偈文げもん謄写かきうつして。前なる山川におし流し。春は花を手折たをりて。仏に手向たむけ奉り。秋は入る月にうそぶきて。そゞろ西天にしのそらこふめり。
「お口ぢやさう有仰おつしやつても、実はおうれしいので御座いませう。あれ、ああしちや考へてゐらつしやる! そんなにもこひしくてゐらつしやるのですかね」
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
あのやまこウひ
とんぼの眼玉 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
多摩川にさらす手作りさらさらに何ぞこの許多ここだかなしき。こう万葉に詠まれたところのその景色のよい多摩川で彼は終日狩り暮した。
大鵬のゆくえ (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
大乱の初まりより十四年昔で、前表もこのように早手廻しではかえって間に合わぬ。「いもが門いでる河の瀬を早み、駒ぞつまずく今恋ふらしも」人にほれらるる人の乗る馬は躓く由(『俊頼口伝集』上)。
「わしにとって、君の幸福がなんだ。わしの眼の前で、君がれんれんとしているようなそんな写真の女に、わしがなんの係り合いがあるものか」
真名古ほどの人間が、これほどの単純なことにどうして気がつかなかったかといえば、すでに総監も喝破したように、それはやるせないアムールがさせたわざだったのである。
魔都 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
印南野イナミヌも行き過ぎ不敢カテニ思へれば、心コホしき加古カコ川口ミナト見ゆ(人麻呂——万葉巻三)
叙景詩の発生 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
無心をされたがどうしたものか、なるべくは断りたい、断ったら嫌われようか、嫌われては甚だ不好まずい。一体スウィートでありながら金子かねをくれろは変な工合だ、妙だよ。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
カン景帝ケイテイ、十四子ヲ生ム。スナワチ中山靖王セイオウ劉勝リュウショウ。——勝。陸城亭侯リクジョウテイコウ劉貞リュウテイヲ生ム。テイ沛侯ハイコウ劉昂リュウコウヲ生ム。コウ漳侯ショウコウ劉禄リュウロクヲ生ム。ロク沂水侯ギスイコウ劉恋リュウレンヲ生ム。レン欽陽侯キンヨウコウ劉英リュウエイヲ生ム。英……。
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)