“こひ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:コヒ
語句割合
38.7%
21.7%
17.9%
6.6%
4.7%
虎皮2.8%
情婦2.8%
古碑0.9%
0.9%
己斐0.9%
恋愛0.9%
0.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
らうこゝろをつけて物事ものごとるに、さながらこひこゝろをうばゝれて空虚うつろなりひとごとく、お美尾みを美尾みをべばなにえとこたゆることばちからなさ
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「あの時にいさんがくならないで、だ達者でゐたら、今頃いまごろわたくしうしてゐるでせう」と三千代は、其時をこひしがる様に云つた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
見て扨は重五郎日頃ひごろ我につらく當りしはかへつなさけありし事かと龍門りうもんこひ天へのぼ無間地獄むげんぢごく苦痛くつうの中へ彌陀如來みだによらい御來迎ごらいかうありて助を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
その人の私のこひを容れて、こゝに來給ふべきをば、何故か知らねど、かたく信じ居※。生死の境に浮沈し居る此身の、一杯の清き水を求むべき手は、その人の手ならではと存※。
布施はぬさと訓べし。又たゞちにふせとも訓べき也。こゝにこひのむといへるは、仏にこふにて、神にいのるとは事異なれば、ヌサとはいはで、布施と言へる也。施を
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
さいわいにして苦沙弥先生門下の猫児びょうじとなって朝夕ちょうせき虎皮こひの前にはんべるので先生は無論の事迷亭
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
おのづと肩身せばまりて朝夕てうせき挨拶あいさつも人の目色を見るやうなる情なき思ひもするを、それをば思はで我が情婦こひの上ばかりを思ひつづけ、無情つれなき人の心の底がそれほどまでに恋しいか
にごりえ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
岡の上に立っていた戸田茂睡とだもすい古碑こひも震災に砕かれたまま取除とりのけられてしまったので、今日では今戸橋からこの岡を仰いで、「切凧きれだこゆう越え行くや待乳山」
水のながれ (新字新仮名) / 永井荷風(著)
遠い所でかう云つた畑尾のこひが鏡子の耳に響いた。ほどばしるやうないきほひで涙の出て来たのはこれと同時であつた。
帰つてから (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
厳島の宮尾城は、つい此の頃陶にそむいて、元就に降参した己斐こひ豊後守、新里にいざと宮内少輔しょうゆう二人を大将にして守らせていた。陶から考えれば、肉をくらっても飽足らない連中である。
厳島合戦 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
にはかにノゾき込んで声打ちひそめ「君、僕は昨夜ゆうべからの疑問だがネ、梅子さんの胸底にはし、ラブが潜んでるのぢや無からうか」大橋は莞爾につこと打ち笑み「勿論もちろん! 彼女の心が恋愛こひの聖火に燃ゆること、 ...
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
たづさ曉寅刻あけなゝつに皆門口へ來て親方御支度はよしかと大聲に云ば水田屋の家内かないは立出是は御苦勞々々々今旦那だんなは御出なさると云中藤八出來りしが先其打扮いでたち紺縞こんじまの上田のあはせ紺紬こんつむぎ盲縞めくらじまの羽織こひ納戸なんどの半合羽を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)