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鯉
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こひ
ふりがな文庫
“
鯉
(
こひ
)” の例文
床
(
とこ
)
にも
座敷
(
ざしき
)
にも
飾
(
かざり
)
といつては
無
(
な
)
いが、
柱立
(
はしらだち
)
の
見事
(
みごと
)
な、
畳
(
たゝみ
)
の
堅
(
かた
)
い、
炉
(
ろ
)
の
大
(
おほい
)
なる、
自在鍵
(
じざいかぎ
)
の
鯉
(
こひ
)
は
鱗
(
うろこ
)
が
黄金造
(
こがねづくり
)
であるかと
思
(
おも
)
はるる
艶
(
つや
)
を
持
(
も
)
つた
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
見て扨は重五郎
日頃
(
ひごろ
)
我に
辛
(
つら
)
く當りしは
却
(
かへつ
)
て
情
(
なさけ
)
有
(
あり
)
し事かと
龍門
(
りうもん
)
の
鯉
(
こひ
)
天へ
昇
(
のぼ
)
り
無間地獄
(
むげんぢごく
)
の
苦痛
(
くつう
)
の中へ
彌陀如來
(
みだによらい
)
の
御來迎
(
ごらいかう
)
ありて助を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
庭の
隅
(
すみ
)
の
蓆
(
ござ
)
の上に、鶏や
鯉
(
こひ
)
や
鮒
(
ふな
)
や芋や
蕪
(
かぶ
)
などが、山のやうにつみ重ねてあつて、そのまはりに犬達が並んでゐます。
犬の八公
(新字旧仮名)
/
豊島与志雄
(著)
午餐
(
ごさん
)
には諏訪湖の
鯉
(
こひ
)
と
蜆
(
しじみ
)
とを馳走になつた。これは、『どうも何もなくていけないが、鯉と蜆でも食べて行つてくれたまへ』といふ赤彦君の
心尽
(
こころづく
)
しであつた。
島木赤彦臨終記
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
小梅
(
こうめ
)
の
伯父
(
をぢ
)
さんにつれられて
奥山
(
おくやま
)
の
見世物
(
みせもの
)
を見に行つたり池の
鯉
(
こひ
)
に
麩
(
ふ
)
をやつたりした。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
▼ もっと見る
三八夏は
蚊帳
(
かや
)
の代りにせし身を
腰元
(
こしもと
)
共に
床
(
とこ
)
を
扇
(
あふ
)
がせ、女房は又
姑
(
しうとめ
)
にあたへし
乳房
(
ちぶさ
)
を
虎屋
(
とらや
)
が
羊羹
(
やうかん
)
にしかへ、氷から
鯉
(
こひ
)
も古めかしと、水晶の
水舟
(
みづぶね
)
に朝鮮金魚を泳がせて楽しみ、
是
(
これ
)
至孝のいたす所なり。
案頭の書
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
鍬
(
くは
)
や
鋤
(
すき
)
を洗ふ為めに一間四方ばかり水溜が
穿
(
うが
)
たれてあるが、これはこの地方に特有で、この地方ではこれを
田池
(
たねけ
)
と
称
(
とな
)
へて、その深さは殆ど人の肩を没するばかり、
鯉
(
こひ
)
、
鮒
(
ふな
)
の魚類をも其中に養つて
重右衛門の最後
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
四箇
(
よつ
)
の
頭顱
(
かしら
)
はラムプの
周辺
(
めぐり
)
に
麩
(
ふ
)
に寄る池の
鯉
(
こひ
)
の如く
犇
(
ひし
)
と
聚
(
あつま
)
れり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
お勝手にもじ/\してゐるのは、下女のお
鯉
(
こひ
)
だけ。
銭形平次捕物控:116 女の足跡
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
囲炉裏
(
ゐろり
)
の
自在竹
(
じざいだけ
)
に
引懸
(
ひつか
)
ける
鯉
(
こひ
)
にしても、
水
(
みづ
)
へ
放
(
はな
)
せば
活
(
い
)
きねばならぬ。お
前様
(
めえさま
)
の
鮒
(
ふな
)
のやうに、へたりと
腹
(
はら
)
を
出
(
だ
)
いては
明
(
あ
)
かねえ。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
父の
痰持
(
たんもち
)
は僕の生れる前からであつた。祖父が隠居してから楽みに飼つた
鯉
(
こひ
)
が、水が好いので非常に殖え、大きな奴がいつも沢山泳いでゐた。雪がもう二三度降つてからのことであつたさうである。
念珠集
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
かはうそや、なまづや、
鯉
(
こひ
)
や、ふななどのゆめを見ました。
ふしぎな池
(新字旧仮名)
/
豊島与志雄
(著)
寢顏
(
ねがほ
)
に
電燈
(
でんとう
)
を
厭
(
いと
)
つたものであらう。
嬰兒
(
あかんぼ
)
の
顏
(
かほ
)
は
見
(
み
)
えなかつた、だけ
其
(
それ
)
だけ、
懸念
(
けねん
)
と
云
(
い
)
へば
懸念
(
けねん
)
なので、
工學士
(
こうがくし
)
が——
鯉
(
こひ
)
か
鼈
(
すつぽん
)
か、と
云
(
い
)
つたのは
此
(
これ
)
であるが……
人魚の祠
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
向
(
むか
)
つて
左
(
ひだり
)
の
端
(
はし
)
に
居
(
ゐ
)
た、
中
(
なか
)
でも
小柄
(
こがら
)
なのが
下
(
おろ
)
して
居
(
ゐ
)
る、
棹
(
さを
)
が
滿月
(
まんげつ
)
の
如
(
ごと
)
くに
撓
(
しな
)
つた、と
思
(
おも
)
ふと、
上
(
うへ
)
へ
絞
(
しぼ
)
つた
絲
(
いと
)
が
眞直
(
まつすぐ
)
に
伸
(
の
)
びて、するりと
水
(
みづ
)
の
空
(
そら
)
へ
掛
(
かゝ
)
つた
鯉
(
こひ
)
が——
人魚の祠
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
鯉
(
こひ
)
とも
思
(
おも
)
ふが、
木
(
き
)
が
小
(
ちつこ
)
い。
鰌
(
どぜう
)
では
可笑
(
をかし
)
かんべい。
鮒
(
ふな
)
を
一
(
ひと
)
ツ
製
(
こさ
)
へて
見
(
み
)
せつせえ。
雑
(
ざつ
)
と
形
(
かたち
)
で
可
(
え
)
え。
鱗
(
うろこ
)
は
縦横
(
たてよこ
)
に
筋
(
すぢ
)
を
引
(
ひ
)
くだ、……
私
(
わし
)
も
同
(
おな
)
じに
遣
(
や
)
らかすで、
較
(
くら
)
べて
見
(
み
)
るだね。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「いまの、あの
婦人
(
ふじん
)
が
抱
(
だ
)
いて
居
(
ゐ
)
た
嬰兒
(
あかんぼ
)
ですが、
鯉
(
こひ
)
か、
鼈
(
すつぽん
)
ででも
有
(
あ
)
りさうでならないんですがね。」
人魚の祠
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
其
(
そ
)
の
上
(
うへ
)
、
主
(
ぬし
)
が
居
(
ゐ
)
て
住
(
す
)
む、と
云
(
い
)
ふて、
今以
(
いまもつ
)
て
誰一人
(
たれひとり
)
釣
(
つり
)
をするものはねえで、
鯉
(
こひ
)
鮒
(
ふな
)
の
多
(
いか
)
い
事
(
こと
)
。……
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
龍虎梅竹
(
りうこばいちく
)
、
玉堂富貴
(
ぎよくだうふつき
)
、ナソレ
牡丹
(
ぼたん
)
に
芍藥
(
しやくやく
)
、
薄
(
すゝき
)
に
蘭
(
らん
)
、
鯉
(
こひ
)
の
瀧登
(
たきのぼ
)
りがと
云
(
い
)
ふと、
鮒
(
ふな
)
が
索麺
(
さうめん
)
を
食
(
く
)
つて、
柳
(
やなぎ
)
に
燕
(
つばめ
)
を、
倒
(
さかさま
)
に
懸
(
か
)
けると、
蘆
(
あし
)
に
雁
(
がん
)
とひつくりかへる……ヨイ/\と
云
(
い
)
ふ
奴
(
やつ
)
でさ。
画の裡
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
二百十日
(
にひやくとをか
)
の
落水
(
おとしみづ
)
に、
鯉
(
こひ
)
、
鮒
(
ふな
)
、
鯰
(
なまづ
)
を
掬
(
すく
)
はんとて、
何處
(
どこ
)
の
町内
(
ちやうない
)
も、若い
衆
(
しう
)
は、
田圃
(
たんぼ
)
々々
(
/\
)
へ
總出
(
そうで
)
で
騷
(
さわ
)
ぐ。
子供
(
こども
)
たち、
二百十日
(
にひやくとをか
)
と
言
(
い
)
へば、
鮒
(
ふな
)
、カンタをしやくふものと
覺
(
おぼ
)
えたほどなり。
寸情風土記
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
時
(
とき
)
は
十二月
(
じふにぐわつ
)
なんだけれど、
五月
(
ごぐわつ
)
のお
節句
(
せつく
)
の、
此
(
これ
)
は
鯉
(
こひ
)
、
其
(
それ
)
は
金銀
(
きんぎん
)
の
絲
(
いと
)
の
翼
(
つばさ
)
、
輝
(
かゞや
)
く
虹
(
にじ
)
を
手鞠
(
てまり
)
にして
投
(
な
)
げたやうに、
空
(
そら
)
を
舞
(
ま
)
つて
居
(
ゐ
)
た
孔雀
(
くじやく
)
も、
最
(
も
)
う
庭
(
には
)
へ
歸
(
かへ
)
つて
居
(
ゐ
)
るの……
燻占
(
たきし
)
めはせぬけれど
印度更紗
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
親仁
(
おやぢ
)
が
婦人
(
をんな
)
に
齎
(
もた
)
らした
鯉
(
こひ
)
もこのために
活
(
い
)
きて
孤家
(
ひとつや
)
に
着
(
つ
)
いたらうと
思
(
おも
)
ふ
大雨
(
おほあめ
)
であつた。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
と
又
(
また
)
一ツ
背中
(
せなか
)
を
叩
(
たゝ
)
いた、
親仁
(
おやぢ
)
は
鯉
(
こひ
)
を
提
(
さ
)
げたまゝ
見向
(
みむ
)
きもしないで、
山路
(
やまぢ
)
を
上
(
うへ
)
の
方
(
かた
)
。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
庭
(
には
)
の
池
(
いけ
)
の
鯉
(
こひ
)
を、
大小
(
だいせう
)
計
(
はか
)
つてねらひにくるが、
仕
(
し
)
かけさへすれば、すぐにかゝる。また、
同國
(
どうこく
)
で、
特産
(
とくさん
)
として
諸國
(
しよこく
)
に
貨
(
くわ
)
する、
鮎釣
(
あゆつり
)
の、あの
蚊針
(
かばり
)
は、すごいほど
彩色
(
さいしき
)
を
巧
(
たくみ
)
に
昆蟲
(
こんちう
)
を
模
(
も
)
して
造
(
つく
)
る。
木菟俗見
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
うつくしき
人
(
ひと
)
の、
葉柳
(
はやなぎ
)
の
蓑
(
みの
)
着
(
き
)
たる
忍姿
(
しのびすがた
)
を、
落人
(
おちうど
)
かと
見
(
み
)
れば、
豈
(
あに
)
知
(
し
)
らんや、
熱
(
あつ
)
き
情思
(
おもひ
)
を
隱顯
(
ちら/\
)
と
螢
(
ほたる
)
に
涼
(
すゞ
)
む。
君
(
きみ
)
が
影
(
かげ
)
を
迎
(
むか
)
ふるものは、たはれ
男
(
を
)
の
獺
(
をそ
)
か、あらず、
大沼
(
おほぬま
)
の
鯉
(
こひ
)
金鱗
(
きんりん
)
にして
鰭
(
ひれ
)
の
紫
(
むらさき
)
なる
也
(
なり
)
。
五月より
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「うゝ、
湯瀧
(
ゆだき
)
、
湯瀧
(
ゆだき
)
、それ
鯉
(
こひ
)
の
瀧昇
(
たきのぼ
)
りぢや、
坊
(
ばう
)
やは
豪
(
えら
)
いぞ。そりやも
一
(
ひと
)
つ。」
銭湯
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
“鯉(コイ)”の解説
コイ(鯉、学名:Cyprinus carpio)は、コイ科に分類される魚の一種である。比較的流れが緩やかな川や池、沼、湖、用水路などにも広く生息する大型の淡水魚。
コイの語源は体が肥えていることまたは味が肥えていることに由来するという。別名はマゴイ、ノゴイ(後述のように体高の低いコイのグループがありノゴイはその呼称でもある)。
(出典:Wikipedia)
鯉
漢検準1級
部首:⿂
18画
“鯉”を含む語句
鯉口
緋鯉
鯉幟
池鯉鮒
鯉魚
真鯉
鯪鯉
金鯉
五月鯉
鯉口半纏
鯉丈
鯉汁
鯉屋
滝亭鯉丈
寒鯉
鯉淵要人
鯉角
鯉鮒
鯉魚庵
鯉川
...