“引懸”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ひっかか36.4%
ひっか27.3%
ひきか12.1%
ひっかけ9.1%
ひつかゝ3.0%
ひきかけ3.0%
ひきかゝ3.0%
ひつか3.0%
ひッか3.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
だが諸君、ここに一つの問題があると思うのは、誰かのインチキに、まんまと引懸ひっかかったのが自分ではなく、他人の友人か誰かであったとしよう。
麻雀インチキ物語 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「ええと、今何でさ、合せてなんて、余計なことを言いなすった時、おやゆび引懸ひっかけて、上が下りて一ツ飛んで入りましたっけ。はてな、」
三枚続 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
欄干らんかんの外部に釘の出ている個所を見つけると、その釘へ、さいぜんの絣の切れを、風で飛ばぬ様にしっかりと引懸ひきかけて置いて、それから、帆布はんぷの影に隠れ、素肌にただ一枚着けていた
パノラマ島綺譚 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
とある。かくのごとき場合には、柳の枝をその児の口にくわえさせて、これを樹の枝に引懸ひっかけて置くと、一夜を過ぐれば必ず失せてなくなるといっていた。
山の人生 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
持て居る事を見し故是をはかりて博奕ばくちすゝめしかば固より好む事ゆゑ直樣すぐさま引懸ひつかゝもつぱら博奕をなして居たりけり
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
いたせしなり既に其御侍士そのおさふらひこうまでも行んと云るゝによりわたくしが右の駕籠屋かごやの來らざるうち此熊谷土手は名代の物騷ぶつさうなる所にてことに四里八丁もある場所ゆゑ必らず夜にいるに付今夜は當宿たうしゆくとまりてあすあさ早立はやだちになされよと御止め申居たる處へ駕籠舁かごかきめが這入はひり來り終にすゝめ込て引懸ひきかけゆきしなり其時貴方あなた樣が御出成れたなら惡漢わるものの五人や十人は
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
又々博奕ばくえき引懸ひきかゝり肥前屋小兵衞方にて貰ひしかの六兩は殘らずまけて仕舞元の通りの手振てぶりとなりけれ共綿入わたいれ羽織ばかりは殘り有事故種々思案しあんなし此上は如何共詮方せんかたなければ元へ立歸るより外なしと本町二丁目なる肥前屋ひぜんや小兵衞の方へ行御免下めんくだされと店へあがるゆゑ番頭大にこま折角せつかくの御出に候へども主人小兵衞儀は
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
囲炉裏ゐろり自在竹じざいだけ引懸ひつかけるこひにしても、みづはなせばきねばならぬ。お前様めえさまふなのやうに、へたりとはらいてはかねえ。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
小児こども衆ですよ、不可いけません。両方から縄を引張ひっぱって、軒下に隠れていて、人が通ると、足へ引懸ひッかけるんですもの、悪いことをしますねえ。」
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)