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ひっかけ
あの親父が此の間
髭を剃りましたよ白髪交りの胡麻塩頭を
結て新しい半纏を
引掛て坐って居ますが大きに様子が
快くなって病人らしく無く成ったが、
娘さんも襦袢に新しい襟を掛けたぜ
まず
引掛の昼夜帯が一つ鳴って
〆った姿。わざと短い
煙管で、真新しい
銅壺に並んで、立膝で吹かしながら、雪の素顔で、
廓をちらつく影法師を見て思出したか。
一、上野介殿十分に討取候とも、
銘々一命
遁べき覚悟これなき上は、一同に申合せ、
散々に
罷成申まじく候。
手負の者これ有においては、互に
引懸助け合い、その場へ集申べきこと。