引懸ひっかけ)” の例文
とある。かくのごとき場合には、柳の枝をその児の口にくわえさせて、これを樹の枝に引懸ひっかけて置くと、一夜を過ぐれば必ず失せてなくなるといっていた。
山の人生 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
魚眼レンズで観客全部の顔色をのぞいているッて——ちえッ、そんなものに引懸ひっかけられてたまるものかい!
間諜座事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
一、上野介殿十分に討取候とも、銘々めいめい一命のがるべき覚悟これなき上は、一同に申合せ、散々ちりぢり罷成まかりなり申まじく候。手負ておいの者これ有においては、互に引懸ひっかけ助け合い、その場へ集申べきこと。
四十八人目 (新字新仮名) / 森田草平(著)