“覗”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
のぞ85.0%
うかが7.6%
ねら2.8%
うかゞ2.5%
のぞき0.6%
うか0.2%
なが0.2%
のぞい0.2%
み0.2%
うかご0.1%
ノゾ0.1%
う0.1%
うかがわ0.1%
うかゝ0.1%
ねらい0.1%
のそ0.1%
のぞか0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
二十年の学校生活に暇乞(いとまごい)をしてから以来、何かの機会に『老子』というものも一遍は覗(のぞ)いてみたいと思い立ったことは何度もあった。
変った話 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
アパートのどの窓からも殆んど覗(うかが)う事の出来ない程に鬱蒼たる櫟(くぬぎ)や赤樫(あかがし)の雑木林にむっちりと包まれ、そしてその古屋敷の周囲は
石塀幽霊 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)
ヘルマン・バアルが旧い文芸の覗(ねら)い処としている、急劇で、豊富で、変化のある行為の緊張なんというものと、差別はないではないか。
あそび (新字新仮名) / 森鴎外(著)
然れども僅(わづ)かに現在の「生」を覗(うかゞ)ひ知ることを得るなり、現在の「生」は夢にして「生」の後が寤(ご)なるべきや否や、吾人は之をも知る能はず。
その弱味につけこみ覗(のぞき)メガネの絵など高価に売りつけたり、学用品を横領したりしたことを。
途上 (新字旧仮名) / 嘉村礒多(著)
此(この)場所は如何(いか)にも静で且(か)つ快濶(かいかつ)で、如何(いか)な毒々しい運命の魔も身を隠して人を覗(うか)がう暗い蔭(かげ)のないのが僕の気に入ったからです。
運命論者 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
が、何(なん)となく、人(ひと)よりも、空(そら)を行(ゆ)く雲(くも)が、いろ/\の影(かげ)に成(な)つて、其(そ)の花(はな)を覗(なが)めさうな、沈(しづ)んだ寂(さび)しい趣(おもむき)の添(そ)つたのは、奧州(あうしう)の天地(てんち)であらう。
飯坂ゆき (旧字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)
此は関家で熊狩(くまがり)に雇(やと)って置くアイヌのイコサックルが小屋で、主は久しく留守なのである。覗(のぞい)て見ると、小屋の中は薄暗く、着物の様なものが片隅に置いてある。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎、徳冨蘆花(著)
彼の意識の中に築きかけられた美しいものが、吉川機関手の一言(ひとこと)で崩されてしまったのだった。あの優しい声は確かに彼の秘密を覗(み)破っているようだった。
汽笛 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
そっと玻璃窓内を覗(うかご)うたときに、内部の深緑色(その晩は天鵞絨(びろうど)のような黒味をおびていた。)の窓帷(カーテン)がどうした途端であったか片絞りをされて二寸ばかり開いていたのであった。
幻影の都市 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
姫ははじめて、顔へ偏(カタヨ)つてかゝつて来る髪のうるさゝを感じた。筬の櫛目を覗(ノゾ)いて見た。梭もはたいて見た。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
魔が自分に投げ与えた一の目的の為めに、良心ならぬ猛烈の意志は冷やかに働らいて、一に妻の鼻息を覗(う)かがっている。
酒中日記 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
小田原陣直後奥州の辺土へ転封され、百万石の知行にあきたらず、たとえ二十万石でも都近くにあらばと、涙を呑んで中原(ちゅうげん)の志を捨てた位の意気は、髣髴(ほうふつ)として覗(うかがわ)れるのである。
小田原陣 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
而も其の覗(うかゝ)ツたところは、彼(かれ)自(みづか)ら神來(しんらい)の響(ひゝき)と信じてゐたので、描かぬ前の彼の元氣と内心の誇と愉快(ゆくわい)と謂ツたら無かツた。彼の頭に描かれた作品は確に立派(りつぱ)なものであツたのだ。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
砕けたあとから舞い下りて中味(なかみ)を頂戴(ちょうだい)すれば訳はない。そうだそうだと覗(ねらい)を定めて、かの亀の子を高い所から挨拶も無く頭の上へ落した。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
萱原(かやはら)准尉は、自分が運転をしているかのように、額(ひたい)に汗をにじませて少佐と並んで、地下戦車のうしろから覗(のそ)く。
未来の地下戦車長 (新字新仮名) / 海野十三(著)
そうして右の掌だけ半分ほど胸の処から覗(のぞか)して、襦袢の襟を抑えた。その指に指輪が光っていた。崩れた膝の間から派手な長襦袢が溢(こぼ)れている。
別れたる妻に送る手紙 (新字新仮名) / 近松秋江(著)