のぞき)” の例文
その弱味につけこみのぞきメガネの絵など高価に売りつけたり、学用品を横領したりしたことを。
途上 (新字旧仮名) / 嘉村礒多(著)
のぞき屋台がある。餅みたいなものを焼いて売っている店がある。ぴーぴーじゃんじゃんやかましい楽器を鳴らしている見世物もある。すべて昨日見物に歩いたときと同じ風景だ。
浮かぶ飛行島 (新字新仮名) / 海野十三(著)
出して見せたる故羨敷うらやましく思ひ我今百兩有らば安樂なるべし役に立ぬ寺への奉納と存じ何方いづかたへ仕舞置やとひそかのぞきしに重箪笥かさねだんすの引出へ入れたるを能々よく/\見置みおき其夜そのよ丑刻頃やつどきごろ忍び込み右の金を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
お使僧の説教は、彼女にとつてはのぞきからくりの歌声うたごえよりも猶無関心のものであつた。唇はたゞ動いて居るとしか思へなかつた。之を聴聞したい為に彼女はこゝへ来たのではない。
夜烏 (新字旧仮名) / 平出修(著)
はじめより小やの入り口をとざし、人々ひそまりてのぞきゐたれば、こゝに人ありともおもはざるやうにて、大小の竜燈りうとう二ツ三ツ小屋のまへ七八間さきにすゝみきたりしを、かれがひかりにすかしみれば
ちょうど此方こっちの御飯が済んで台所を片付けておりましたら何だか大原さんのお家の方でゴタゴタする声が聞えますからちょいと駈出してのぞきましたところ、あのお代さんがおおきな声を揚てなくやらわめくやら
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
そう思うとしきりに梯子を上って、青塗の桶の中がのぞきたくなった。
暗い空 (新字新仮名) / 小川未明(著)
はじめより小やの入り口をとざし、人々ひそまりてのぞきゐたれば、こゝに人ありともおもはざるやうにて、大小の竜燈りうとう二ツ三ツ小屋のまへ七八間さきにすゝみきたりしを、かれがひかりにすかしみれば