“其夜”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
そのよ93.3%
それ6.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
しかも梅の影がさして、窓がぽつとあかるくなる時、えん蚊遣かやりなびく時、折に触れた今までに、つい其夜そのよの如くの高かつた事はないのである。
処方秘箋 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
もう後悔しても取反とりかえしが附かなくなって、むことを得ず好加減いいかげんな口実を設けて別々に内を出て、新富座を見物した其夜そのよの事。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
其夜それからといふものは真実ほんと、真実でござりまする上人様、晴れて居る空を見ても燈光あかりとゞかぬへやの隅の暗いところを見ても、白木造りの五重の塔がぬつと突立つて私を見下して居りまするは
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
其夜それからというものは真実ほんと、真実でござりまする上人様、晴れて居る空を見ても燈光あかりとどかぬへやすみの暗いところを見ても、白木造りの五重の塔がぬっと突っ立って私を見下しておりまするわ
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)