“蚊遣”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かやり64.8%
かや35.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「お父さんな、まだ帰らんのか。」と浅七は外から這入(はい)って来た。家の中は暗かった。囲炉裏(いろり)の中には蚊遣(かやり)の青葉松が燻(いぶ)って居た。
恭三の父 (新字新仮名) / 加能作次郎(著)
伸子は、父の足許で、低い足台(フットストール)に腰かけ、団扇で蚊遣(かやり)の煙を、あっちに煽いだりこっちへ靡かせたりしながら、ぼんやり答えた。
伸子 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
軒下の竹台に釘抜のように曲った両脚を投げ出した目明し藤吉、蚊遣(かや)りの煙を団扇(うちわ)で追いながら、先刻(さっき)から、それとなく聴耳を立てている。
庭の芝生へ毛氈(もうせん)を敷き、月見の飾り物を前に酒肴(しゅこう)の膳(ぜん)を置いた。雪洞(ぼんぼり)をその左右に、蚊遣(かや)りを焚(た)かせ、正四郎もふさも浴衣にくつろいで坐った。
その木戸を通って (新字新仮名) / 山本周五郎(著)