“酒肴”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
しゅこう65.0%
さけさかな28.6%
しゆかう3.6%
あつらえ0.7%
さかな0.7%
ざけさかな0.7%
しゆこう0.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
酒肴しゅこうが運ばれて、また娘が給仕に出た、話は途切れがちだったが、席はいつかのびやかにおちつき、いかにもくつろいだ小酒宴となった。
日本婦道記:小指 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
佐幕、勤王、因循いんじゅん三派のどれにでも共鳴しながら同じ宿に泊る。馳走をするような調子で酒肴さけさかなを取寄せる上に油断すると女まで呼ぶ。
斬られたさに (新字新仮名) / 夢野久作(著)
一夕いつせき、松川の誕辰たんしんなりとて奥座敷に予を招き、杯盤はいばんを排し酒肴しゆかうすゝむ、献酬けんしう数回すくわい予は酒といふ大胆者だいたんものに、幾分の力を得て積日せきじつの屈託やゝ散じぬ。
妖怪年代記 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
「善さんだッてお客様ですよ。さッきからお酒肴あつらえが来てるんじゃありませんか」
今戸心中 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)
無けなしのぜにをハタキ集めてやっと五合ます一パイの酒を引いたが、サテ、酒肴さかなを買う銭が無い。向うの暗い棚の上には、章魚たこの丸煮や、蒲鉾の皿が行列している。
近世快人伝 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
あづかりしと云ふ一札迄さつまでわたき其儘別れて歸りける心の内に長庵は仕濟しすましたりと大いに悦び彼五十兩の其金はおのれが榮耀ええう酒肴ざけさかな遊女狂いうぢよぐるひにつかひける然るに伊勢屋千太郎はかゝる事とは夢にも知らず心の中に今日は小夜衣が麹町へ來たかあすは來るかと指屈算ゆびをりかぞへ日のくるるのを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
宵の程あつらへ置きし酒肴しゆこう床間とこのまに上げたるを持来もてきて、両箇ふたりが中に膳を据れば、男は手早くかんして、そのおのおの服をあらたむるせはしさは、たちまきぬり、帯の鳴る音高く綷※さやさやと乱れ合ひて
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)