“誂”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
あつら88.2%
あつ5.1%
あつらえ3.9%
あつらへ1.8%
あとら0.3%
あつれ0.3%
あつらい0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
指さした縁側には、あつらへたやうに泥足、のみでこじ開けたらしい雨戸は、印籠いんろうばめが痛んで、敷居には滅茶々々に傷が付いてをります。
健三は床の間に釣り合わない大きな朱色の花瓶はないけを買うのに四円いくらか払った。懸額かけがくあつらえるとき五円なにがしか取られた。
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
クションは、あの二人ずつ腰を掛けるあつらえので、私は肥満でっぷりした大柄の、洋服着た紳士のわき、内側へ、どうやら腰が掛けられました。
甲乙 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
大した智慧のある男ではありませんが、眼と耳の良いことはガラツ八の天稟てんぴんで、平次の爲には、これ程あつらへ向のワキ役はなかつたのでした。
その姿容かたち端正うつくしきでたまひて、すなはち建内たけしうち宿禰すくねの大臣にあとらへてのりたまはく、「この日向よりし上げたまへる髮長かみなが比賣は、天皇の大御所みもとに請ひ白して、あれに賜はしめよ」
「ビリーはそれにゃおあつれえ向きの男だったな。」とイズレールが言った。「『死人しびとは咬みつかず』ってやっこさんはよく言ってたっけ。 ...
夕立が手引をした此夜の出来事が、全く伝統的に、おあつらい通りであったのを、わたくしは却て面白く思い、実はそれが書いて見たいために、この一篇に筆を執り初めたわけである。
濹東綺譚 (新字新仮名) / 永井荷風(著)